今シーズンのルーキーたちは安定感に欠ける一方で、時に爆発的なパフォーマンスを披露する傾向にある。 ホーネッツのPJ・ワシントンはデビュー戦で27得点をマークすると同時に、デビュー戦記録となる7本の3ポイントを決めた。ヒートに所属する元Gリーガーのケンドリック・ナンは、開幕戦で24得点を挙げて人々を驚かせ、その直後の2試合でも25得点越えを達成している。 エリック・パスカルは自身の23歳の誕生日でもあった現地11月4日のブレイザーズ戦で34得点、13リバウンドと爆発し、故障者だらけのウォリアーズを勝利へと導いた。グリズリーズのジャ・モラントは、カイリー・アービング相手に一歩も引かずチームを勝利に導き、13日のホーネッツ戦では素晴らしい決勝レイアップを決めるなど、すでにいくつかのビッグゲームを自身のレジュメに書き込んでいる。 そして新しくリストに加わったのがコービー・ホワイトだ。 ホワイトは13日のニックス戦で衝撃のパフォーマンスを披露し、ユナイテッド・センターに集ったファンを熱狂させた。第4クォーターだけで7本もの3ポイントを決めて、クォーターにおけるブルズのフランチャイズ新記録を樹立。最終的に27得点を叩き出し、120対102でチームを勝利に導いたのだ。 最終クォーターに入る前に放った5本のシュートをすべて外していたホワイトは、「シュートの調子が良くなかったから、1本目が入って安心したよ。そこから良いリズムを掴めたんだ」と試合を振り返った。 「彼は特別な才能を持っている。スピードは素晴らしいし、一度勢いに乗ると止めるのは難しい。彼が試合を大きく動したね」とニックスのフィッツデールHCは相手のルーキーを称賛している。 ここまでシュートに苦しんでいたホワイト(FG成功率36.8%、3ポイント成功率28.6%)による予想外の爆発。このような試合があるからこそルーキーたちを追いかけるのは面白い。 1. ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ) 現地8日のマジック戦(8得点、FG 3/13)、11日のスパーズ戦(9得点、FG 2/12)と立て続けにシュートに苦しんだモラントだったが、家族と友人の前でプレイすることになった13日のホーネッツ戦ではキャリア初のダブルダブル(23得点、11アシスト)を記録しただけでなく、初のウイニングショットを決めてチームを勝利に導いている。3人のディフェンダーを交わし、残り0.7秒の場面でレイアップを決めた瞬間は、彼の記憶に永遠に残るだろう。 2.RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス) コービー・ホワイトが爆発する直前まで、バレットは今季自身ベストとも言える活躍を披露していた。その試合以前の2試合では合計12得点、FG 5/20と不調だったが、迎えた12日のブルズ戦ではシュートを16本中8本沈めるなど、21得点、9アシストと活躍。バレットは、「1人に第4クォーターだけで7本もの3ポイントを決められると試合は当然難しくなる。第3クォーターまでは良いプレイをしていた。上手く試合を終わらせなければいけない」と敗戦に悔しさをにじませた。 3.八村塁(ワシントン・ウィザーズ) 前週はランク外だった八村だが、今週は見事に復活。今週は出場したキャブズ戦とセルティックス戦の両方で21得点を記録している。チームメイトのブラッドリー・ビールも、「彼は安定感がある。気持ちが昂りすぎず、落ち込みすぎることもない。それは外から見ていてもわかると思う。1年目にしてはだいぶ落ち着いているし、彼の成長は素晴らしいよ」と称賛する。 4.ブランドン・クラーク(メンフィス・グリズリーズ) モラント、ジャレン・ジャクソンJr .がチームにいるためあまり注目を浴びないが、クラークが存在感を増している。第3週は3試合で平均13.3得点、6.7リバウンドを記録。シーズンを通してはFG成功率60.7%(3ポイント成功率42.9%、フリースロー成功率91.7%)、そしてルーキートップの平均6.5リバウンド、同2位の1.3ブロックをマークしている。 5.ケンドリック・ナン(マイアミ・ヒート) 開幕当初の勢いはなくなったが、平均得点で新人2位(16.9)、スティールでは同トップタイ(1.6)の成績を維持している。12日のピストンズ戦ではシュートに苦しんだが、途中からスイッチが入り、最終的に20得点をマークしてチームの勝利に貢献している。ナンの落ち着きぶりはコーチやチームメイトの称賛を集めている。「我慢強くプレイできていたのは好感が持てる」とスポールストラHCは語る。「オフェンスにおいて彼が重要な選手であることは本人に伝えている。優秀なシューターで、プレイメイクも上手く、才能に溢れている。オフボール、オンボール、どちらでも活躍できる彼という武器がチームには必要なんだ」。