2017-18シーズンから2年にわたって在籍した古巣ボストン・セルティックスとのNBAファイナルで、ダラス・マーベリックスのカイリー・アービングはシュートタッチに苦しんだ。全5試合中3試合で20点未満に抑えられ、3ポイント成功率もわずか27.6%。チームを救うには至らなかった。 第5戦も苦しい戦いを強いられていたなか、セルティックスの勝利がほぼ決定的となった試合終盤、アービングがベンチに下がる際にセルティックスの選手やコーチたちの所へ向かい祝福する姿が見られた。悔しさを押し殺して相手を称えたこのシーンについて、試合後の会見で振り返っている。 「みんなと握手したのは、彼らのここまでの道のりに対する敬意の表れだった。彼らは5年間、第7戦まで行ったりファイナルで負けたりということを経験していたからね」 さらに、「彼らは健康体だった上に本当に冷静で、個人的な称賛や栄誉を気にしていなかった。彼らはチームとして団結し、一人ひとりが自分の役割を全うし、無我夢中でベストを尽くすことを選んだのだと思う」と、チーム全体で戦い抜いたことを評価した。 かつてのチームメイトであるジェイレン・ブラウンがファイナルMVPに輝いたことについては、「JBがファイナルMVPを受賞したって? トロフィーを手にできて良かったよ」と殊の外喜んだ。 「彼とJT(ジェイソン・テイタム)は(MVPを)シェアすべきだと思うけどね。あの2人は、ほとんど生徒のような存在で、今はそれぞれの立場で先生にもなっている。彼らがやり遂げたのを見られて本当に誇らしいよ」 アービングにとっては悔しい結果となったNBAファイナルではあるが、ブラウンとテイタムの若い時を近くで見ていた分、2人の初優勝は感慨深いものだったに違いない。