日本時間3月4日(現地3日)、富永啓生(4年)が所属するネブラスカ大学はホーム最終戦でラトガース大学と対戦し、67-56で勝利した。大学生活最後のホームゲーム(シニアナイト)となった富永は父親の啓之さんも見守るなか、満員のピネクル・バンク・アリーナで先発出場。前半は相手のフィジカルな守備に苦しんだが、後半では12連続得点をマークするなどチーム最多の18点、3リバウンド、1アシスト、FG成功率46.2%(13本中6本)、3ポイント成功率16.7%(6本中1本)と、3戦ぶりの2桁得点でチームを牽引した。 観客のボルテージが最高潮になったのは後半残り6分。ラトガース大学の反撃を受け、点差を6点に縮められる嫌なムードが漂うなか、ファウルをもらいながらもロゴ付近から富永が3ポイントシュートを沈めてみせた。この4点プレイにフレッド・ホイバーグHC(ヘッドコーチ)は「あれがケイセイだ。大舞台でも怯まない精神を持っている」と絶賛。これで流れを引き寄せたネブラスカ大学が最終的に11点差で逃げ切った。 自身最後のホームゲームを終えた富永は「ファンの声援も凄くて最高の1日だった。ここでプレイした3年間の思い出は決して忘れない」と、駆けつけたファンへの感謝を述べた。若きレフティーを育てた指揮官は「ケイセイにとってホーム最後の試合を勝てたのは嬉しいけど、同時に寂しい気持ちだ。これまで長い道のりだったし、今ではこのプログラムにとって大切な存在だからね」と、日本が誇るシューターとの思い出に浸っていた。また、敵将のスティーブ・パイクルHCも「最初の1年目は3ポイントシュートのみだったが、今ではスペースの使い方が上手く、どこからでも得点を奪える選手になった」と富永の成長に賛辞を送っている。 なお、ネブラスカ大学はホームでの勝利数を18勝(1敗)とし、同大学の史上最多記録を更新。そして、ホームでの勝率(.947)は、11勝0敗の戦績を残した1965-66シーズン後では最高と記録的な1戦となった。 強豪揃いのカンファレンスとされるBIG 10に所属するネブラスカ大学は、カンファレンス内で11勝8敗と勝ち越していることに加えて、1月に当時全米ランキング1位だったパデュー大学や同6位のウィスコンシン大学を撃破したことで評価が上昇。現地の報道では20日(同19日)に開催されるNCAAトーナメント(マーチ・マッドネス)に、第8〜10シードで出場すると予想されている。 ネブラスカ大学は、レギュラーシーズン最終戦となる11日(同10日)にミシガン大学(カンファレンス14位)と対戦する。2013-14シーズン以来のNCAAトーナメント進出に向けて、勝ってシーズンを終えられるか。