ミネソタ・ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズは、オフにアメリカ代表として出場したFIBAワールドカップでエース級の活躍を披露した。そのパフォーマンスにはスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ/ゴールデンステイト・ウォリアーズ)も太鼓判を押すほどだったが、以前から高い評価を得ていたわけではなかったようだ。 エドワーズが全体1位指名を受けた2020年のNBAドラフト前、ワークアウトでカーHCから「十分にやってない」と言われたエピソードを明かしている。 「自分では一生懸命ハードにやっているつもりだった。彼が来た時はドリルをやっていたんだけど、それを止めて『全力か?』と言ってきたんだ。めちゃくちゃ全力なんだけどどうしたらいいんだ? こんなに汗をかいているのにと思ったよ」 エドワーズはその日の夕方、カーHCとボブ・マイヤーズ前GM(ジェネラルマネージャー)と夕食を共にしたものの、2人はそれまでと同じような発言を繰り返していたそうだ。エドワーズは、「彼らは『ステフ(カリー)やKD(ケビン・デュラント/フェニックス・サンズ)、クレイ(トンプソン)のトレーニングを見た方がいい』といった感じだった。俺に対して『十分にやってない。もし1位指名権を持っていても指名しない』って言ってきた。クレイジーだと思ったよ」と振り返った。 ウォリアーズ陣営の発言はかなり強気なもののように思えるが、エドワーズは今になってカーHCが正しかったと考えるようになったという。 「どうすればいいのか分からなかったけど何とかしなきゃと思って、ジムで狂ったように練習したよ」 それから3年が経ち、エドワーズはアメリカ代表の主軸として活躍し、カーHCに認められるまでに成長した。大会前のドイツ戦で34点を挙げた際には、「間違いなく彼がエースである」と手放しで褒め称えたほどだ。 カーHCの言葉を発奮材料に変え、トップクラスの選手にまで成長を遂げたエドワーズ。NBA4年目を迎える2023-24シーズンの活躍からも目が離せない。