ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズは、今季でNBA20年目を迎えた。38歳と酸いも甘いも噛み分けた大ベテランとなったが、これまで何度も“キング”と対戦してきたロサンゼルス・クリッパーズのポール・ジョージは、ジェームズにトラッシュトークを仕掛けてはいけない理由を語っている。 2003年のドラフト全体1位指名でNBA入りしたジェームズ。これまでクリーブランド・キャバリアーズ、マイアミ・ヒート、レイカーズの3チームでプレイし、リーグ優勝4回、通算得点(3万8652点)は英雄カリーム・アブドゥル・ジャバーを抜いて歴代トップに立つなど、生きるレジェンドと言っていい存在だ。 18歳でプロになったジェームズも20年目、38歳と大ベテランの域に入った。それでも、昨季は平均30.3得点、今季も平均28.9得点、8.3リバウンド、6.8アシストと衰えを感じさせないプレイを見せている。 そのジェームズは、プレイオフ1回戦で対戦したメンフィス・グリズリーズのディロン・ブルックスから、シリーズ第2戦後に「彼のことは気にしない。(38歳の)年寄りだからね」と挑発された。「プレイする準備はできている」と静かに闘志を燃やし、第3戦は25得点、9リバウンド、5アシスト、第4戦は22得点、20リバウンド、7アシスト、第5戦は15得点、10リバウンド、5アシスト、第6戦は22得点、5リバウンド、6アシストを記録して、チームをカンファレンス準決勝進出に導いたのは記憶に新しい。 これまでジェームズと何度も対戦してきたジョージは、自身のポッドキャスト『Podcast P with Paul George』で、「トラッシュトークを仕掛けることは、負の連鎖に陥るリスクもある。ゲームを支配している選手と話すんだから適当なことは言っちゃいけない。ブロン(レブロン)がゲームをコントロールするんだ」と、トラッシュトークを仕掛けてはいけない相手だと説いた。 「君がディロン・ブルックスだとして、1試合で20本、25本のシュートを撃つことはない。でも、ブロンはそれだけの数のシュートを撃ってくる。君は彼がシュートを撃たない、決められないと思っているのかい? 彼はいいプレイをしようと思っている。それだけでも劣勢だ。まるでシュートアウトをしているようなもので、相手は25発、君は3発の弾を持っている。どちらが勝つと思う? レブロンからしたら、『お前は誰だ? 何を成し遂げたんだ? なんで俺がお前とこんなことしないといけないんだ? まずは自分を証明しろ』って感じだろうね」 神様マイケル・ジョーダンはトラッシュトークを仕掛けて自らを奮い立たせるタイプだったが、ジェームズもプレイで証明するという点では共通点があると言えそうだ。