モラント不在で苦境のグリズリーズ　チーム一丸でエースの穴を埋められるか【3/12(日)午前10時『THE MATCHUP』マーベリックス対グリズリーズ】

日本時間3月9日時点でウェスタン・カンファレンス3位と好位置につけるメンフィス・グリズリーズに試練が訪れている。今季は昨年末から年明けの1月にかけて球団タイ記録の11連勝を挙げるなど好調だったが、それ以降は7勝13敗と失速。さらにジャ・モラントがコート外の問題でチームを離れており、復帰時期の目処も立っておらずシーズン終盤戦はこのままエース抜きでの戦いを強いられる可能性がある。 また、主力の離脱はモラントにとどまらず、インサイドの柱であるスティーブン・アダムズは、右ひざのじん帯の挫傷によりレギュラーシーズン中の復帰は難しくなっており、ベンチから安定した活躍を見せていたブランドン・クラークもアキレス腱断裂で今季の欠場を発表。一時は優勝候補の一角とも評されていたが、プレイオフが1か月後に迫るなかチームに暗雲が立ち込んでいる。

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顕著な得点力不足、堅守速攻でカバーできるか

前半戦の貯金があり、プレイイン・トーナメント出場圏であるウェスト7位のミネソタ・ティンバーウルブズに5.5ゲーム差をつけるグリズリーズだが、チーム状況を考えれば決して安心はできないだろう。なんとかチーム力で乗り切りたいが、そのためにはどうにか得点力不足を補う必要があるだろう。 1月21日以降の20試合（7勝13敗）ではチーム全体のFG成功率がリーグ29位（45.5%）、3ポイント成功率が27位（32.6%）とシュートに苦戦しており、オフェンシブ・レーティングも26位（110.2）と低調。特に13敗のうち5敗はリードを守りきれずに逆転負けを喫するなど、接戦での戦い方に課題が残る。

モチベーターのディロン・ブルックスはFG成功率が4割を切るなどオフェンスは不安定

そんななかチームトップの平均27.1点を記録し、独力で守備を打開できるモラントの欠場は当然ながら大きな痛手だ。攻撃の核がいない状況では、いかにイージーバスケットを奪えるかが重要となる。ディフェンシブ・レーティングは3位（109.7）、ターンオーバー誘発数も6位（15.4）と守備は堅いだけに、アグレッシブな守りから得意とする速攻（平均ファストブレイク得点：17.6／2位）に繋げて得点を重ねていきたいところだ。

ステップアップが期待されるキーマン

逆境を迎えるなか奮起が求められるのが、チーム2位の平均21.2点を記録するデズモンド・ベインと、守備の要であるジャレン・ジャクソンJr.だろう。3ポイントを41.1%と高確率で沈めるベインはシューターとしてのイメージが強いが、今シーズンはペイント内へのドライブ数が増えており（5.3→8.5）、スコアラーとして一皮むけた印象だ。ここまでモラント不在時は平均22.1点とほぼ増加は見られないが、3ポイントを5本以上決めた試合では7勝1敗とほぼ負けていないだけに、得点面でチームを牽引することが期待される。

3年目で初の平均20点超えを記録するベインは、代理エースとしてこれまで以上の結果を残せるか

一方のジャクソンはリーグトップの平均3.2ブロックをマークするなど守備で存在感を示す。先述の通り速攻による得点を狙うには、欠かせない存在だ。また、今季は昨季からFG成功率（41.5%→49.2%）と3ポイント成功率（31.9%→34%）が向上。守備だけではないことを証明しており、シーズン終盤戦ではベインとともにチームを盛り立てることが求められる。

モラント代役の司令塔ジョーンズ

モラントが欠場する間、目覚ましい活躍を見せているのが普段はそのバックアップを務めるタイアス・ジョーンズだ。先発として出場した11試合で平均19.1点、FG成功率52.2%、3ポイント成功率50%、7.6アシストと躍動している。 モラントのような派手さはないが、ターンオーバーが少なく、堅実な試合運びが持ち味で、速攻だけでなく、ハーフコートオフェンスでは的確なパス捌きでチームメイトを活かすことができる。予想外のタイミングでピンチを迎えたグリズリーズだが、チーム一丸となりこの困難を乗り越えることができるか。 ■【THE MATCHUP】ダラス・マーベリックス対メンフィス・グリズリーズ 日時：日本時間3月12日（日）午前10時 会場：フェデックス・フォーラム 解説：佐々木クリス / 実況：波多江良一 視聴可能プラン：LEAGUE PASS

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