ニューオーリンズ・ペリカンズは日本時間1月6日(現地5日)現在、ウェスト3位(24勝14敗)と好位置につけている。しかし好調の最中、チームトップの平均26点を記録するザイオン・ウィリアムソンが1月3日(同2日)のフィラデルフィア・76ers戦で右ハムストリングを負傷。最低3週間の離脱が決定した。 ウィリアムソンのみならず、その相棒であるブランドン・イングラムも左足つま先の打撲で復帰の見通しがまだ立っていない。得点源の2人を欠く厳しいチーム事情のなか、戦力が拮抗するウェスタン・カンファレンスをどう戦い抜くのか。まさに正念場を迎えている。
チームの総合力が問われるペリカンズだが、今季はウィリアムソンとイングラムを欠いた試合で5勝1敗と好成績を挙げている。その要因についてトレイ・マーフィー三世は、層の厚さと、チーム全体で共有している心構えを挙げた。 「僕たちは常に“Next Man Up(ネクスト・マン・アップ。次の選手が代わりを果たすという意味)”の精神を持っている。今いるメンバーでも十分勝てる戦力だ」 代役選手を鼓舞する表現として多用される“Next Man Up”。マーフィー三世が語る通り、今季のペリカンズには得点源2人の穴埋めができる選手が揃っている。
チーム3位の平均20.2点を記録するCJ・マッカラムを筆頭に、インサイドの要であるヨナス・バランチュナス、3ポイント成功率41.6%のマーフィー三世、守備職人のハーバート・ジョーンズ、“ドラフト外の星”ホセ・アルバラードなど、今季1試合で20点以上を挙げた選手が9人おり、これはブルックリン・ネッツに並んでリーグトップの人数だ。 ウィリー・グリーンHC(ヘッドコーチ)も「このチームを誇りに思っている。フロント陣の頑張りで今の選手たちを集めることができたからね」と、現状のチームに手応えを感じている。
代理エースとして特に大きな期待を背負うのは、ベテランのマッカラムだ。12月31日(同30日)の76ers戦では、キャリア最多となる11本の3ポイントシュートを沈め42点と大暴れ。直近13試合で平均25.5点と得点を伸ばしている。フリースローを5本以上放った試合で5勝1敗と勝ち越しているだけに、自ら積極的にアタックを仕掛けることがポイントになるだろう。 また、今季は本業ではない司令塔役も担っており、自己最多の平均6アシストを記録中。相手の守備を引きつけるウィリアムソンがいないなか、どのように試合を組み立てていくのか注目だ。
ペリカンズは1月8日(同7日)に、アウェイでダラス・マーベリックスと対戦する。“Next Man Up”精神で、2大エース不在の苦境を乗り越えられるか。 ■【THE MATCHUP】ニューオーリンズ・ペリカンズ対ダラス・マーベリックス 日時:日本時間1月8日(日)午前10時 会場:アメリカン・エアラインズ・センター 解説:塚本清彦 / 実況:波多江良一 視聴可能プラン:LEAGUE PASS