ブルックリン・ネッツのケビン・デュラントは、年俸4400万ドル(約60億円)超の巨額契約があと4年残るなかで、チームにトレードを要求したと伝えられている。様々な報道とは裏腹に交渉は進展していないが、『ESPN』の人気コメンテーターであるマックス・ケラーマンはシカゴ・ブルズを新天地に推している。 2019年夏にネッツへ移籍したデュラントは、所属初年度こそ右アキレス腱断裂のリハビリで全休となったが、2020-21シーズンは平均26.9得点、所属3年目の21-22シーズンは平均29.9得点、7.4リバウンド、6.4アシストの成績を残した。 カイリー・アービングとの強力デュオを形成しながら、プレイオフではボストン・セルティックスにまさかの4連敗であっけなくシーズンが終了。日本時間7月1日(現地6月30日)にNBAのフリーエージェント(FA)交渉が解禁されたなか、ネッツにトレードを要求したと報じられた。 フェニックス・サンズ、マイアミ・ヒート、トロント・ラプターズなど様々なチーム名が候補に挙がり、トレード論争は過熱。そのなかで、人気コメンテーターのケラーマンは『ESPN』の番組『Keyshawn, JWill and Max』で昨季5年ぶりにプレイオフ進出を果たしたブルズが理想だと推奨した。 「シカゴ・ブルズはどう? メジャーマーケットでありながらマイケル・ジョーダン以来、ビッグスターを獲得していない。KDは史上最高のオフェンシブプレイヤーだ」 ケラーマンは昨季27.9得点を叩き出したデマー・デローザン、ニコラ・ブーチェビッチ、パトリック・ウィリアムズのパッケージでトレードは成立すると考えているようだ。しかし、ネッツはデュラント放出の見返りに、最低1人は若いオールスター選手を獲得することをノルマにしていると言われる。デローザンは近年でベストの状態だが、32歳と決して若くない。 さらに、元NBA選手のジェイ・ウィリアムズは「いや、いや、(トレードは)できない。KDはNBAでトップ3のプレイヤーだ」と、ブルズには提示内容を充実させるドラフト指名権が不足していると指摘。ブルズは2023年と25年の1巡目指名権がなく、24年と26年の1巡目指名権はドラフト当日までトレードできない状態だ。 『Sports Illustrated』のクリス・マニックス記者も、「ネッツとKDの件で話し合ったチームは、その要求が驚異的だと気付いた。ネッツが求めるオファーに匹敵する準備をできているチームはない」と語っており、ブルズもネッツの要求をクリアするオファーは提示できないかもしれない。