クリーブランドに久しぶりの熱気が戻ってきた。 現在クリーブランド・キャバリアーズ(以下キャブズ)は29勝19敗でイースタン・カンファレンス5位に位置しており、まだシーズン中盤ながら過去3シーズンで最多だった22勝をすでに超える躍進ぶりを見せている。イーストのトップを走っていたシカゴ・ブルズとブルックリン・ネッツがやや失速気味なだけに、この調子を維持できればレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)が在籍していた2018年以来のプレイオフ進出はもちろん、トップ4シード獲得も夢ではない。
好調キャブズを牽引しているのは、1月26日に22歳となった司令塔のダリアス・ガーランドだ。得点源のコリン・セクストンが昨年11月、ベテランとしてチームをまとめていたリッキー・ルビオが12月末に怪我で今季絶望となったなか、平均19.7点、8.2アシストを挙げるなど、軒並みキャリアハイを塗り替える勢いでチームを支えている。 スピードと巧みなスキルでディフェンスをかき乱すテクニシャンは、現在自己最長となる5試合連続の2桁アシストを記録中と絶好調だ。「他のチームは僕たちを警戒するようになったね。だけど、まだアンダードッグの気持ちを忘れてはいけない」と本人は気を引き締めるが、この活躍を披露し続けられればクリーブランドで開催されるオールスターゲームに初めて招集される可能性は高い。
ガーランドの成長に加え、今季のキャブズの強さを象徴するのがディフェンスだろう。ここまでディフェンシブ・レーティングはリーグ3位(105.0)、平均失点は2位(102.3)とリーグ屈指の堅守を誇る。とりわけ目立った働きを見せているのが、23歳のジャレット・アレンと20歳の新人エバン・モーブリーの若手ビッグマンコンビだ。 アレンはチームトップの平均11.0リバウンド、24回のダブルダブルを記録し、モーブリーも平均15.0点、8.2リバウンド、1.7ブロックの好成績で新人王の最有力候補に挙がる大活躍。ビッグマンながら両選手ともにガードにも対応できる機動力が売りで、チームの守備に万能性をもたらしている。この強力なツインタワーとガーランドが同時に出場した試合は23勝9敗と7割を超える勝率を残しており、若手トリオがキャブズ躍進の原動力となっているのは間違いない。
直近8戦で7勝と波に乗るキャブズは、日本時間1月27日(現地26日)に昨季王者ミルウォーキー・バックスと対戦する。今季の直接対決は1勝1敗のタイだが、勝利した一戦ではヤニス・アデトクンボ、クリス・ミドルトン、ドリュー・ホリデーといったバックスの主力が不在だった。 勝率5割以上のチーム相手に17勝16敗と健闘しているものの、キャブズとしてはビッグ3が揃う予定の王者を叩くことでさらに自信をつけたい。主力の1人であるラウリ・マルカネンは足首の負傷で欠場。また、病気でダウンしてしまったアレンの出場も微妙だが、シックスマン賞候補に挙がるケビン・ラブ、百戦錬磨のラジョン・ロンド、攻守にバランスの取れたジェディ・オスマンなど実力者は揃っている。今季のダークホースとして期待を集めるキャブズが、勢いそのままに勝利を掴むのか注目だ。