マイアミ・ヒートは、10月9日(日本時間10日)に行われたロサンゼルス・レイカーズとのNBAファイナル第5戦を111-108で制し、シリーズ2勝3敗と踏みとどまった。エースのジミー・バトラーは、逆転優勝に意欲を燃やしている。 リードの入れ替わりが15回、タイスコアが6回と一進一退の攻防が続いた一戦は、第4クォーター残り16.8秒にバトラーがフリースロー2本を決めてヒートが土壇場で逆転。新人タイラー・ヒーローのフリースローで2点を加え、王手をかけていたレイカーズを撃破した。 バトラーは35得点、12リバウンド、11アシスト、5スティール、1ブロックと攻守に奮闘。『NBA.com/Stats』によれば、35得点、10リバウンド、10アシスト、5スティール以上を記録したのはファイナル史上初。また、2015年のレブロン・ジェームズ(当時クリーブランド・キャバリアーズ)以来となる、ファイナルでシリーズ2度目となる30得点以上でのトリプルダブルを達成した。
『ESPN』のマリカ・アンドリュース記者によれば、47分12秒プレイしたバトラーは記者会見に出席した際、少し表情をゆがめ、ゆっくりと椅子に腰を下ろし、左大腿四頭筋をおさえて深く息をついたという。消耗度の大きさを感じさせるワンシーンとなったが、バトラー自身は「何でもない」と強気な姿勢を崩さない。 「俺は仲間たちとともに、コートにすべてを置いてきた。それが、俺たちがやらなければいけないこと。いつも『俺たちには勝利しかない』と言っている」 まさに、八面六臂の活躍を続けるエースを、同僚のバム・アデバヨは「彼は限りなく完璧に近い。僕もジミーのために、チームのために良いプレイをするんだという思いさ」と称賛。エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)も「彼の勝利への執念は注目に値する。NBAに入ってくるすべての若い選手たちはジミー・バトラーを研究すべきだ。攻守万能プレイヤーの目指すべき姿だ」と最大限の賛辞を送った。 過去にファイナルで0勝2敗から優勝を果たしたのは、ボストン・セルティックス(1969年)、ポートランド・トレイルブレイザーズ(1977年)、ヒート(2006年)、キャバリアーズ(2016年)の4チームのみ。依然としてヒートが崖っぷちなのは変わらないが、それでもバトラーは「次の試合はさらにタフになるだろう。でも、まだ勝つチャンスは十分にある」と力強く語る。 ヒートは2006年の再現を果たせるか、注目の第6戦は10月11日(同12日)に開催される。