昨季、フランチャイズ史上初の優勝を飾ったトロント・ラプターズだったが、昨オフにエースのカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)がチームを去ったため、多くの人が2連覇を果たすことはないと予想していたことだろう。しかし、蓋を開けると、ラプターズは昨季を超える勝率(53勝19敗)を残し、イースタン・カンファレンス2位として臨んだプレイオフではカンファレンス準決勝に勝ち進んだ。 周囲の期待を良い意味で裏切るシーズンを過ごすラプターズだが、『ESPN』のティム・ボンテンプス記者に「レナードという大きな戦力を失ったラプターズが好調な理由は?」と訊かれたベテランビッグマンのマルク・ガソルが、好結果を残せているその理由を以下のように明かしている。
「チームスポーツであることがバスケットボールの魅力、そして僕らの成功の秘訣はチーム力だ。これはラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、ミロシュ・ラオニッチらについて話す(個人競技の)テニスではない。これはバスケットボール。チームの団結力がカギとなるチームスポーツなんだ。どれだけ数人のスーパースターに焦点を当てようとも、その事実はずっと変わらないよ」 「ビッグ3」や「ダイナミックデュオ」が注目される昨今のNBAで、基本に忠実なラプターズがスーパースターを失っても好調な理由はそこにあるのかも知れない。ガソルの他にもベテランのカイル・ラウリーがリーダーシップを発揮するなか、パスカル・シアカムがオールスターに成長。また、サージ・イバカ、フレッド・バンブリード、OG・アヌノビー、ノーマン・パウエルといった選手たちも、与えられたそれぞれの役割を果たし、それらピースを上手くはめられるニック・ナースHC(ヘッドコーチ)の手腕も光っている。 現時点(日本時間9月7日)で、ボストン・セルティックスとの、カンファレンス準決勝は2勝2敗。チーム力を武器に、ラプターズがリーグ2連覇を達成できるかに注目だ。