バッシュで紐解くNBAヒストリー / vol.11:ポール・ジョージ&『PG4』【木村タカヒロ】

現地1月5日のニューヨーク・ニックス戦で、ポール・ジョージ(ロサンゼルス・クリッパーズ)がシグネチャーモデル『NIKE PG4』を初披露しました。試合前のアップでは黒のモデル、ゲームではクリッパーズカラーの青をまとった1足を着用していました。 今でこそジョージはNIKEのシグネチャーシューズを持つ数少ないスター選手(現役ではレブロン・ジェームズ、カイリー・アービング、ケビン・デュラント、ヤニス・アデトクンボ、ジョージの5人のみ)の1人ですが、ドラフト1巡目10位でインディアナ・ペイサーズに指名された2010年の時点では、このクラスの選手に育つとは思われていなかったようで、NIKEとの契約は標準的なものだったそうです。 状況が変わったのは2013、14年と2年連続でオールスターに選出されたタイミングで、この頃にシグネチャーシューズの開発が始まったと言われています。しかし2014年夏、ジョージに悲劇が起こります。FIBAワールドカップのアメリカ代表選抜に向けたトレーニングキャンプで、右足の腓骨と脛骨を開放骨折する重傷を負ってしまったのです。これによりシューズの開発とリリースは遅れてしまいました。 その後ケガから無事復帰を果たし、2017年には待望のシグネチャーシューズ第1弾『PG1』がリリースされたのです。なお、デザインを担当したトニー・ハードマンは、「本来『PG1』は2016年にリリースされるはずだった」とコメントしています。 不屈の精神で怪我を克服したジョージに与えられたローカットの『PG1』は、軽量性とストラップが特徴でした。続く『PG2』ではストラップを無くしたものの、本人の希望で『PG2』にストラップを付けた『PG2.5』がリリースされています。しかし、次にリリースされた『PG3』には再びストラップがなくなったことを見ると、ジョージはバッシュのフィット感に非常に繊細であることが読み取れます。 その証拠に、最新の『PG4』はシューレースを覆い隠しホールド感を高めるカバーが特徴的なのですが、試合中はそのジップを開けたままプレイする姿が確認されています。本人にしかわからないそのこだわりこそが、彼の爆発的なプレイを支えてるに違いありません。

木村タカヒロ:スポーツ、バラエティ番組の構成作家。テレビ東京のスポーツニュース「SPORTSウォッチャー」や、「ロンドン五輪」「MASTERS」「ワールドカップバレー」など、様々なスポーツ中継に携わる。中学~高校時代はバスケ部に所属。

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