みなさん、こんにちは! 宇都宮ブレックスの比江島慎です。 NBA Rakutenでコラムを書かせていただくことになりました。初めての経験で慣れないことも多いですが、自分のNBAサマーリーグ、Bリーグ、日本代表での経験から、皆さんにバスケットボールを楽しんでいただくキッカケをお届けしたいと思っています。 今回は、僕自身の経歴、サマーリーグ/ニューオーリンズ・ペリカンズ、宇都宮ブレックスについて書かせていただきます。
僕は小学1年生でバスケットボールを始め、中学、高校、大学とバスケ漬けの毎日を送ってきました。NBAにはずっと興味がありましたが、大学卒業まではNBAを観る環境があまりありませんでした。今は日本国内ではNBA Rakutenで手軽にNBAを観られることを嬉しく思っています。 バスケットボールを始めてからは、家族や所属チーム、周囲の方々のおかげで、日本国内では様々な大会で優勝や好成績を残すことができました。ただ、日本代表に選出されてから世界を相手に戦う中で、さらなるレベルアップが必要だと感じたことが、世界最高峰のNBAを見始めるキッカケにもなりました。僕はプロ選手になってからNBAを見始めたので、まだまだNBAについては勉強中です。NBAファンの皆さんには、いろいろなことを教えていただき、今までNBAをあまり観たことがない皆さんには、僕がNBAについて感じていることをお伝えしていきたいと思っています。 このコラムでは、僕が所属する宇都宮ブレックスについても紹介したいと思っていますので、今までBリーグのゲームを観戦されたことがない方にも、宇都宮ブレックスやBリーグの試合観戦に来ていただければ嬉しいです。皆さんの中には、自分はNBAファン、またはBリーグファン、日本代表ファン、○○選手のファンなどという方もいるかもしれませんが、いろいろな「バスケットボール」に興味を持っていただき、来年の東京オリンピックでは、皆さんと一緒に“日本一丸”となって世界の強豪国相手に戦いたいと思っています。
2019年の夏は、自分のバスケットボールキャリアの中で特別な時間となりました。ダラス・マーベリックスのミニキャンプとペリカンズのワークアウトに参加し、ペリカンズの一員としてサマーリーグに出場できたからです。以前は、NBAという世界最高峰の舞台に対して憧れに近い感覚がありましたが、サマーリーグに参戦してみて、現在の自分とNBAサマーリーグの距離を実感できたのは大きな収穫でした。 サマーリーグと、日本代表として参加したFIBAバスケットボールワールドカップ2019では満足いく結果を残せませんでしたが、世界を相手に通用し、自信を得た部分もあったので、東京オリンピックやこれからのバスケットボールキャリアに活かしていきたいと思っています。この経験は比江島慎に関わっていただいた、すべての関係者の方々、ファンの皆さんなしでは実現できなかったので、本当に感謝しています。 サマーリーグでプレイしたペリカンズのチームメイトやチーム関係者も本当に親切で、プロフェッショナルな最高のチームでした。今回はそんなペリカンズのチームメイトから3人紹介します。
フランクは、バスケの名門デューク大学卒業のPG(ポイントガード)で、ペリカンズでの練習時には2人で行う練習パートナーをすることもありました。僕がサマーリーグで初出場した際は、彼と交代でコートに立ちました。フランクは現地11月14日(日本時間15日)のロサンゼルス・クリッパーズ戦に出場し、23得点、5リバウンド、2アシストとチームの勝利に貢献していました。 フランクは本当にいいヤツでした。日本語を話せる親友がいるらしく、彼自身も簡単な日本語を少し話せたんです。サマーリーグが終わって日本に帰国する時には、英語と日本語でメッセージを送ってくれました。フランクが日本に来る際には連絡をくれることになっているので、再会が楽しみです。
ケンリッチは何でもできるオールラウンダーです。彼とはチームディナーに参加した時に席が近かったこともあり、それ以降は特に打ち解けました。練習時にもいろいろと気づかってくれて、何度か一緒にシュート練習をやりました。ケンリッチは、ここ数試合はスターティングPF(パワーフォワード)として出場し、19日(同20日)のポートランド・トレイルブレイザーズ戦では、8得点、13リバウンド、1アシスト、3スティール、1ブロックのスタッツを残しています。主力選手の復帰後も、チーム状況に合わせて彼らしく貢献してくれると思います。 サマーリーグから約2ヶ月後の9月末に、僕がサマーリーグとワールドカップについてインスタグラムに投稿した時もコメントしてくれる優しい選手です。
ザイオンは、(八村)塁が日本人初のNBAドラフト1巡目指名を受けた今年のドラフトで、全体1位指名を受けた世界的に注目を浴びている選手です。塁の1巡目9位も十分に素晴らしいのですが、すさまじい人気と実力を兼ね備えたザイオンとチームメイトだったことは、時が経つほど、その凄さを実感するんだろうなと思っています。 チーム練習の時には、成功こそしませんでしたがザイオンにアリウープパスを出したこともありました。サマーリーグでは約9分間の出場でで11得点したザイオンのプレイに、アリーナにかけつけた約20,000人が大熱狂。今まで感じたことがない雰囲気の中で行われたその試合では、僕もコートに立つことができました。膝の怪我で、まだNBAのレギュラーシーズンではプレイしていないザイオンですが、彼の復帰を本当に楽しみにしています。
僕が所属している宇都宮ブレックスは、激しいディフェンスにこだわりを持ち、速攻とともにチーム全員でボールをシェアして高確率のシュートを狙う、全員バスケで戦うチームです。ホームコートのブレックスアリーナ宇都宮(通称:ブレアリ)での雰囲気はとても素晴らしく、NBAの試合と比べても、観客の皆さんの声援や一体感、試合前の演出には胸を打たれるものがあります。まだ宇都宮ブレックスのホームゲームを観戦されたことがない方には、ぜひブレックスのプレイと、ブレアリの雰囲気を体感していただきたいです! ブレックスファンの皆さんには、日頃から本当に熱狂的な応援をしていただいていますし、最近ではブレックスやBリーグの試合に他競技のアスリートやアーティストなど著名人の方々の観戦も増えてきています。ちなみに、サマーリーグのコートサイドには元プロボクサーのフロイド・メイウェザーがいて、僕と目が合いました(笑)。 僕はブレアリの雰囲気が大好きです。世界最高峰のNBAから学べることは、個人としても、チームとしても、リーグとしてもあるかと思います。皆さんと一緒に、世界的にもさらに注目されるチームやリーグにしていければと思っています。
このコラムを担当することになって、ブレックスに似たNBAチームについて考えてみました。なかなか難しかったのですが、しいてチーム名を挙げるなら、ロサンゼルス・クリッパーズとマイアミ・ヒートかなと思います。 クリッパーズは昨シーズンのプレイオフで、当時2連覇中だったゴールデンステイト・ウォリアーズを相手にチームで激しくプレイし、4戦先勝のプレイオフで王者相手に2勝したことは特に印象に残っています。ヒートは球団社長のパット・ライリーとエリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)がディフェンスに定評のあるチームづくりをするので、そのあたりがブレックスに近いかなと思いました。 しかも、今シーズンからクリッパーズにはカワイ・レナードとポール・ジョージ、ヒートにはジミー・バトラー、というリーグを代表する2ウェイプレイヤー(オフェンスとディフェンス、どちらも優れている選手)がチームに加わりました。彼らとは東京オリンピックで対戦する可能性もあるので、さらに注目していきたいです。
今回紹介するブレックスのチームメイトは、日本人初のNBAプレイヤーである田臥勇太選手です。田臥さんはバスケットボール界のレジェンドで、ずっと憧れの存在です。僕がブレックスに入団する前にも、日本代表で一緒にプレイしました。尊敬する田臥さんから、「お前と一緒にプレイするのが一番楽しい。また一緒にプレイしたい」と話していただいたこともあって、昨シーズンからチームメイトになりました。 PGである田臥さんのパスセンスとリーダーシップは本当にすごいです。田臥さんに似ているNBA選手は、オクラホマシティ・サンダーのクリス・ポール(通称:CP3)とフェニックス・サンズのリッキー・ルビオです。CP3もルビオもNBAでの活躍はもちろん、国際大会でも母国の司令塔としてプレイした経験がある点も田臥さんと同じです。CP3はアメリカ代表として2012年のロンドンオリンピックで、ルビオはスペイン代表としてFIBAバスケットボールワールドカップ2019で、それぞれチームを優勝に導いたプレイが特に印象に残っていますし、彼らのNBAでの活躍も楽しみです。 今後のコラムでもブレックスのチームメイトを紹介して、似ていると思うNBA選手を僕なりに選んでいきますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます! 今回はコラム第1回目でしたので、僕自身、サマーリーグ/ニューオーリンズ・ペリカンズ、宇都宮ブレックスについて書かせていただきました。 次回以降は、もう少しトピックを絞っていく予定です。皆さんに喜んでもらえるコラムになればと思っていますので、これからも、よろしくお願いします!
『12月』 7日(土) 15:05 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦(栃木県立県北体育館) 8日(日) 15:05 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦(栃木県立県北体育館) 11日(水) 19:25 秋田ノーザンハピネッツ戦(ブレックスアリーナ宇都宮) 21日(土) 15:05 三遠ネオフェニックス戦(ブレックスアリーナ宇都宮) 22日(日) 15:05 三遠ネオフェニックス戦(ブレックスアリーナ宇都宮) 25日(水) 19:05 千葉ジェッツ戦(ブレックスアリーナ宇都宮) ※詳細はブレックスのホームページをご確認ください。
比江島 慎(ひえじま まこと):宇都宮ブレックス所属のSG。決定力の高いシュートと独特なステップで得点を量産する。2019年夏にはNBAダラス・マーベリックスのミニキャンプ、ニューオーリンズ・ペリカンズのワークアウトに参加し、ペリカンズの一員としてサマーリーグに出場。日本代表の中心メンバーとして、中国で行なわれたFIBAバスケットボール・ワールドカップ2019にも出場。東京オリンピックでの活躍も期待されている。福岡県出身。青山学院大学卒業。1990年8月11日生まれ。190cm・88kg。
NBAサマーリーグ写真:©️Hiroshi Kato/ NBA Japan Bリーグ写真&プロフィール写真:©️Hiroshi Kato/Stellalien Basketball