【パリ五輪】巻き返しを狙う日本、「NBAのエイリアン」を擁する開催国フランスと激突へ

48年ぶりの自力出場となったオリンピックで勝利を目指すバスケットボール男子日本代表(FIBAランク26位)は、日本時間7月31日(水)午前0時15分(NHK総合で放送)から五輪開催国のフランス代表(同9位)と対戦する。 日本はグループステージ初戦のドイツ戦を77-97で落とした。しかし、チーム最多の20点を挙げた八村塁を筆頭に、先発選手全員が2桁得点とFIBAバスケットボールワールドカップ2023王者である格上相手に奮闘。目標とするグループステージ突破には残る2試合で最低でも1勝が必要となるなか、次戦は自国開催で盛り上がりを見せるフランス相手に完全アウェイで戦う。

カギとなるターンオーバー

昨季のNBA新人王であるビクター・ウェンバンヤマ、最優秀守備選手賞のルディ・ゴベアなど多くのNBA選手を擁する強豪フランス戦で大事になるのは、当然のことだが不用意なミスを減らすことだ。ドイツ戦では相手がターンオーバーを5回に抑えたのに対し、日本は13回喫してそこから13点を相手に許した。司令塔の河村勇輝も「簡単なターンオーバーがあったり、ポイントガードとしてゲームコントロールができない時間があったのは反省点です」と、自身が犯した5つのターンオーバーについて言及している。

河村はポイントガードとして試合をうまくコントロールできるか

高さとリーチを兼ね備えるフランスは、初戦で11スティール、6ブロックを記録するなどターンオーバーを誘発させるのが得意なだけに、ミスで相手を勢いづけさせることは避けたい。しかし、フランスも初戦では日本よりも多い19ターンオーバーとミスが散見されたため、逆に日本としては最小限にミスを抑えた上で積極的な守備からイージーポイントを狙いたいところだ。

問われるプレイメイカーの実力

FIBAが「ビッグ3」と紹介する八村、渡邊、ジョシュ・ホーキンソンのトリオは、初戦で日本が記録した77点のうち49点を挙げる活躍を披露した。しかし、それは日本のオフェンスが停滞したタイミングで3人に頼らざるを得なかった結果でもあり、その影響からか疲労が見えた第4クォーターでビッグ3はフィールドゴール8本全て失敗。得点はフリースローの5点のみと、追い上げを狙った終盤でギアを上げられなかった。 フランス戦では3人の力を最大限引き出すためにも、日本のプレイメイカーである河村、富樫勇樹、比江島慎の奮起が求められる。特に河村はドイツ戦で自身のシュート精度(成功率27.0%)には苦しんだが、味方のシュートチャンスを何度もクリエイトしていた。ファウルトラブルで後半流れを上手く作れなかったのが悔やまれるが、先述のターンオーバーも含め、初戦の反省点をコート上に反映できるか見ものだ。

「フランスの至宝」の絶大な存在感

地元での金メダル獲得に燃えるフランスは、何と言ってもウェンバンヤマのプレイに注目だ。初戦のブラジル戦では19点、9リバウンド、4スティール、3ブロックと攻守で存在感を発揮。身長224cm、ウィングスパン244cmという体躯と、何でもできるスキルから「エイリアン」とも呼ばれる20歳は、すでにチームの中心となっている。

初戦から持ち前の万能性を発揮して勝利を呼び込んだウェンバンヤマ

オリンピック前の強化試合でフランスは2勝4敗と負け越したが、勝った2試合はウェンバンヤマが平均25.5点と大活躍した一方、負けた試合では平均13.7点と抑えられた。勝敗にも直接影響するウェンバンヤマの活躍だが、そんな規格外の選手に対するトム・ホーバスHC(ヘッドコーチ)の策にも期待したい。


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