日本時間12月28日(現地27日)時点でNBAトップの戦績を残すなど、ボストン・セルティックス(25勝10敗)が好調だ。特に今季は、平均得点(118.7)とオフェンシブ・レーティング(117.2)が共にリーグ1位と、攻撃力で相手を圧倒している。その原動力となっているのが、ジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンの2人だ。 両選手ともに今季は平均得点(テイタム:31.1点/ブラウン:27.0点)とFG成功率(テイタム:47.7%/ブラウン:49.3%)でキャリア最高の数字を記録。また、2人合計の平均得点(58.1点)は、長いNBAの歴史の中でも2019-20シーズンのヒューストン・ロケッツでジェームズ・ハーデンとラッセル・ウェストブルックが記録した61.9点に次ぐ歴代2位の高さを誇る。 ファーストネームから“The Jays(ザ・ジェイズ)”とも呼ばれる2人の活躍に現地では、歴代最高のデュオとも評されるシカゴ・ブルズのマイケル・ジョーダンとスコッティ・ピッペンや、ロサンゼルス・レイカーズのシャキール・オニールとコービー・ブライアントと比較する声も上がっている。
「もちろん評価に値する実力が僕らにはある。だけど、マイクとスコッティの域には達していないよ」 周囲からの称賛の熱量が高まるなか、自信を見せつつもこう答えたテイタムに驕りは一切ない。そこには昨季果たせなかった優勝への想いが、強く働いているのかもしれない。昨季のNBAファイナル敗退後は、誰とも話せないほど落ち込んだというテイタムだが、今季はその悔しさをバネに選手としてさらにスケールアップしている。
先述の通り、今季は平均得点で自己ベストを更新しているが、際立っているのがその安定感だ。出場33試合中19試合で30点超えを達成しており、反対に10点台に終わった試合はわずか4試合。ペイントに仕掛ける回数が増え、フリースロー試投数が増加(自己最高の平均8.6本)したことで、好不調の波が少ないスコアラーへと成長した。 本人は好調の要因として、食生活の改善を挙げている。「ファイナルの終盤で疲労の影響がかなり大きかった。敗れた時に何かを変えなければいけないと思った時に、食生活が真っ先に浮かんだんだ」と、現在は個人でシェフを雇い1日3食のスケジュールでしっかり管理。優勝のために好物である揚げ物を我慢しているが、今季MVPの有力候補として評価されるなど、ここまでは功を奏していると言えるだろう。
エースであるテイタムの影に隠れがちだが、相棒のブラウンも高いパフォーマンスを披露している。昨季は17試合で30点超えを記録したが、今季はすでにそれに迫る12試合で達成。他のチームであれば文句なしでエースを張れるほどの活躍ぶりだ。 まだ26歳と若く、普通であればテイタムとNo.1オプションを争うようなエゴのぶつかり合いが起きそうだが、その心配はなさそうだ。 「俺とJTはリーグ最高の2ウェイプレイヤー(攻守両面で優れた選手)だと思う。まだまだ自分が成長できること、そしてチームが勝ち続けていくことに気持ちが昂っている。俺は飢えているんだ。とにかく前を向いているよ」
昨季から今季開幕前まで、ブラウンには幾度もトレードの噂がついて回ったが、今はそれも昔のこと。テイタムとブラウンが、歴代のレジェンドデュオのように名を刻む未来はそう遠くないのかもしれない。 日本時間12月30日(金)午前9時30分から、セルティックスとロサンゼルス・クリッパーズ(21勝15敗)が、セルティックスの本拠地TDガーデンで対戦する。現代最高と称されるデュオ“The Jays”のプレイに注目だ。 ■ロサンゼルス・クリッパーズ対ボストン・セルティックス 日時:日本時間12月30日(金)午前9時30分 会場:TDガーデン 視聴可能プラン:LEAGUE PASS(BASIC PASSでのLIVE・見逃し配信はございません)