NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
3年ぶりのプレイオフ進出を逃したロサンゼルス・レイカーズにおいて、オフの最大の注目はラッセル・ウェストブルックの去就であった。昨季開幕前にワシントン・ウィザーズからトレードで加入したが、2009-10シーズン以降では最低の平均18.5点と苦戦。レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスとの連携も機能しているとは言えず、放出すべきとの声が日に日に強くなった。最終的にプレイヤーオプションを行使して、トレードも実現していないが、シーズン序盤でつまずけば、再び放出の噂が加熱することが予想される。 気になるウェストブルックの起用法だが、ダービン・ハム新HC(ヘッドコーチ)は「私の中でどうやって生かすかは決めていて、すでに彼とは話をしている」と具体的な明言は避けた。チームにはパトリック・ベバリーやデニス・シュルーダーが加入し、ケンドリック・ナンも怪我から復帰するなどライバルも多く、ルーキー以来のベンチスタートの可能性も否定できない。 渦中の司令塔はメディアデーで、「勝利のためなら何でもやる覚悟はできている」といかなる役割も受け入れることを示唆。マリーク・モンクとテイレン・ホートン・タッカーが抜けてベンチの層が薄くなったなかで、シックスマンとしてウェストブルックが本来の得点力とプレイメイク力を取り戻すことができれば、昨季リーグ14位だったベンチの1試合平均得点(36.6)のアップも期待できるが、果たしてハムHCはどのような決断を下すのか。
昨季のレイカーズは平均失点でリーグ28位(115.1)、ディフェンシブ・レーティングで同21位(112.8)と、守備が全く機能しなかった。2020年の優勝時は堅守を売りにしていただけに、ハムHCは「今年のフォーカスはディフェンスだ。しっかり守って攻撃に展開していきたい」と立て直しに意欲を見せている。 ペリメーターではベバリーやオースティン・リーブス、インサイドでは過去に3回のブロック王に輝いたデイビスといった守備力に優れた選手はいるが、頂点に返り咲くためにはジェームズやウェストブルックも含め、チーム全体で守備にコミットする必要がある。直近4シーズンはミルウォーキー・バックスでアシスタントコーチを務めたハムHC。2018-19シーズンから2年連続でディフェンシブ・レーティングでトップとなったバックスで培った、ビッグマンをドロップバックさせるスタイルをレイカーズでも用いると見られているが、上手く落とし込めるのかその手腕に注目だ。
レイカーズが再びコンテンダーとなるにはデイビスの復活が欠かせない。ハムHCは「今年は彼がチームの中心になっていく。チャンピオンになるには彼の存在なしではできない」と2年連続シーズンの半分の出場数に終わっているビッグマンの復活を熱望。デイビスによれば、ジェームズからもNo.1オプションとしてチームを牽引するように発破をかけられているようだ。 一昨年は体重を増やし、フィジカル強化に務めたが、怪我の多さを考慮して今オフは身体を絞った。デイビスが本来のパフォーマンスを披露し、37歳ながら衰え知らずのジェームズとの超強力2トップが機能すれば、ウェストで一波乱巻き起こしてくれるに違いない。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:112.1(11位) 平均失点:115.1(28位) 得失点差:-3.0(22位) 平均リバウンド:44.0(18位) 平均アシスト:24.0(17位) 平均スティール:7.6(11位) 平均ブロック:5.2(7位) FG成功率:46.9%(8位) 3ポイント成功率:34.7%(22位) FT成功率:73.2%(29位) オフェンシブ・レーティング:110.0(22位) ディフェンシブ・レーティング:112.8(21位) ※カッコ内はリーグ順位