先日のクレイ・トンプソン復帰戦、ゴールデンステイト・ウォリアーズのドレイモンド・グリーンはふくらはぎの痛みがあったにもかかわらず、相棒の復帰の場に立ち会いたいと先発メンバーとしてコートに立った。ティップオフ後、すぐにファウルをしてベンチに下がったが、このトンプソンへの敬意と漢気を感じさせる行為に多くのファンが感動した。 しかしその一方で、グリーンのこの判断によって大きな影響を被った業界がある。勝利や選手のスタッツを賭けの対象にするスポーツベッティングの世界だ。グリーンのこの日のスタッツは0点、0リバウンド、0アシストと「0」が並んだのだが、試合前にグリーンが最初だけコートに立つという情報が出た瞬間、駆け込みでグリーンがこの試合で今季の平均スタッツ(平均7.5点、8.5リバウンド、8.5アシスト)を下回ると予想するベットが多数行なわれたのだ。 グリーン出場の情報を入手して素早く対応したブックメーカーもあったようだが、そうでなかった所にベッターが集中。一部の人は複数ベットして、2桁万ドル級の利益を手にしたという。なお、ブックメーカー全体では3桁万ドルの損出が出たとの報道もある。そのうち大半が、試合開始前の10分間に賭けられたものだったようだ。 日本では違法のスポーツベッティングだが、合法・違法を合わせると全世界で約330兆円の市場規模があると言われている。