経験豊富なNBAのベテランレフェリー、モンティ・マッカチェンが試合やジャッジへの取り組みについて語る

去る7月3日、NBAはクイン・クック(今季途中までクリーブランド・キャバリアーズでプレイ)、ブルース・ボウエン(元サンアントニオ・スパーズほか)、レフェリーのモンティ・マカッチェンが参加した「NBAチャンピオン・バーチャル・ミート&グリート」を実施した。 このイベントには、日本、中国、ブラジル、南アフリカ、フィリピン、モンゴル、マレーシア、台湾から計13名のNBAファンが参加。日本からは、NBAグッズを多数扱うRakuten SPORTS ZONE(楽天スポーツゾーン)でNBAグッズを税込5000円以上を購入したLEAGUE PASSユーザーでキャンペーンにエントリーされた方の中から、抽選で参加者を決定している。 イベントでは参加者が3人に直接質問できるコーナーもあり、マカッチェンにも複数の質問が寄せられた。なお、マッカチェンは子どもの頃はバスケットボールをプレイしていたが、大学生の頃のアルバイトでレフェリーに。以後、NBAで笛を吹くまでに至り、これまでレギュラーシーズンで1400試合以上、プレイオフで169試合、NBAファイナルで16試合レフェリーを担当してきた大ベテランである。 「オフシーズンに不自然なシュートモーションに対処する計画があるとの情報が出ていたが、あなたの仕事にどんな影響があるでしょうか?」との質問には、レフェリーのあるべき姿を丁寧に説明しつつ、具体的にどのような取り組みをしているのかを話してくれた。 「素晴らしい質問ですね。子どもの頃から、スポーツにおいて誰もが求めるものは平等であることです。試合中はもちろんレフェリーからフェアなコールを期待するでしょう。すべての選手が精一杯プレイできるよう、私たちはオフェンスとディフェンス、両サイドを平等に扱わなければいけません。 特に最近、オフェンス側のシューティングフェイントや自らディフェンダーにぶつかりにいくアクションが、ディフェンス側のプレイをより難しくしているように見られます。対策方法は現代社会と同様です。オフシーズン中に過去3年間のプレイのサンプル映像を観る予定です。NBAの動画チームは大変優れています。900~1000個くらいの動画を集めてチェックします。それぞれのプレイ動画を夏の間ずっと観て、最適な例を200まで絞りだして編集します。 秋にレフェリースタッフ全員で会議を行ない、こちらの動画を観せます。そこで『これはディフェンスのファウル』、『これはオフェンスのファウル』、『これはノーコール』などと指摘し合います。大変な仕事ですが、ファン、選手、チームに平等な試合を提供する為のベストな方法だと思っています」 さらに、現在のNBAはプレイスタイルがソフトになっているのではという問いに対しては、「試合が変わったから」と見解を述べている。 「私がNBAに入った90年代前半、リーグのベストプレイヤーと言えば身体の大きな選手でした。試合はフリースローラインからリムの間で行なわれ、その狭いエリアに選手が密集していたので、より激しいものとなっていたのです。しかし今では試合の進め方が変わりました。最高のプレイヤーたちの何人かはペリメーターエリアで活躍する選手で、ゲームの幅はより広がったのです」

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