日本時間6月12日(現地11日)、ステイトファーム・アリーナでイースト第4シードのアトランタ・ホークス(41勝31敗)と第1シードのフィラデルフィア・76ers(49勝23敗)によるカンファレンス準決勝第3戦が行われる。第2戦は76ers(以下シクサーズ)が118-102で勝利し、シリーズ成績を1勝1敗のタイに持ち込んだ。 互角の戦いが展開されるシリーズで圧巻のパフォーマンスを披露しているのが、シクサーズの大黒柱ジョエル・エンビードだ。ワシントン・ウィザーズとのプレイオフ1回戦で負傷した右膝はまだ完治していないが、第2戦でプレイオフ自己最多となる40得点、13リバウンドを記録するなど、ここまで平均39.5得点、11リバウンド、1.5スティール、2ブロックと獅子奮迅の活躍を披露している。3ポイントシュートも上手い近代的なビッグマンだが、今シリーズでは身長213cm、体重127kgという屈強なフィジカルを活かしてインサイドを支配。両チームを通じて最も多い31本(うち26本成功)というフリースローの合計試投数にも積極性が表れており、今後もエンビードの大暴れに期待が懸かる。 シクサーズにとっては、伏兵の活躍も鍵となる。アメリカのスポーツ界では“Be ready when your number is called (呼ばれた時にすぐに行けるよう準備をしろ)”という言葉が、普段出場時間に恵まれない選手たちのモチベーションを上げるために頻繁に使用される。そして第2戦でしっかりと準備をしていたのが、シクサーズのシェイク・ミルトンだった。79-78と1点リードの第3クォーター残り2分46秒に初めてコートに立つと、その約30秒後に3ポイントをヒット。第3クォーター終了間際にもう一度3ポイントを沈めるなど、ミルトンの登場でオフェンスに火がついたシクサーズは第4クォーター開始から19-5の猛攻を仕掛けて勝利を手繰り寄せた。最終的に第4クォーターをフル出場したミルトンは出場14分で14得点と大活躍。プレイオフに入って以降の6試合で合計17得点、FG成功率21.1%と波に乗れず、ローテーション落ちしていたなかでの活躍ぶりに、チームメイトのトバイアス・ハリスも「これこそプレイオフだ。ベンチにいる全員にステップアップするチャンスがあるんだ」と喜んだ。第3戦では誰の背番号が呼ばれるのか注目だ。 ホークスは現在本拠地で13連勝中。難攻不落のステイトファーム・アリーナでシクサーズはイースト首位の実力を見せられるか。一進一退の攻防が続く両軍の一戦を見逃すな。
■フィラデルフィア・76ers対アトランタ・ホークス 日時:日本時間6月12日(土)午前8時30分 会場:ステイトファーム・アリーナ 解説:中原雄 / 実況:永田実