8月15日(日本時間16日)、ウェスタン・カンファレンス8位のポートランド・トレイルブレイザーズと同9位メンフィス・グリズリーズによるプレイイン・ゲームズ第1戦が行われた。試合はブレイザーズが126対122で制し、ウェスト最後のプレイオフ出場権を獲得している。 互いに一歩も譲らぬ展開となった緊迫の一戦、前半はブレイザーズが優勢に進めて6点リード。しかし、負ければ終わりのグリズリーズも意地を見せる。第3Q(クォーター)だけで42得点を奪い、第4Qを前に94対89と試合をひっくり返す。グリズリーズが多くの時間帯でリードを保った最終Qで、ブレイザーズに勝利を呼び込む輝きを放ったのは腰を骨折しながらもプレイを続けるCJ・マッカラムだった。3点ビハインドの試合残り3分8秒に3ポイントシュートで試合を振り出しに戻すと、1点リードで迎えた残り1分50秒の場面で再び長距離砲を決め、その直後のポゼッションでもプルアップジャンパーを沈めて点差を6点に広げた。その後、崖っぷちのグリズリーズも食い下がるが逆転とはいかず、ブレイザーズが大一番で勝利を飾った。
記録した29得点中14得点を第4Qに集中させたマッカラムは、「明日(第2戦)はプレイしたくないと考えていた。そのためには、しっかりと集中して試合に臨み、今日勝たなければいけなかった。プレイオフ出場の可能性があるポジションにつけれたことを嬉しく思うし、そのチャンスを無駄にしたくなかった」と試合直後のインタビューで語った。 心配される腰の状態については、「背骨が折れてるんだ!(笑)」と元ボクシングヘビー級王者マイク・タイソンの名言を冗談として引用しつつ、「まだまだやれるよ。しっかりと治療してもらってるし、思った以上に悪くなっていないことに感謝している」と万全ではないもののプレイできることをアピールした。 チーム最多の31得点を挙げるも、最終Qでは5得点と控えめだった大黒柱のデイミアン・リラードは、クラッチプレイで勝利を手繰り寄せた相棒マッカラムの活躍を信じていたようだ。 「時には一歩引いて誰かにチームの先頭に立ってもらう。今日はCJが好調で勢いがあった。そういった状況を読んで、自分は一歩下がり、実際に彼が活躍できるようにするんだ」 この試合で存在感を示したのはマッカラムとリラードだけではない。試合前に祖母のハナさんが新型コロナウイルスによって亡くなったことをインスタグラムで発表したユスフ・ヌルキッチは、前半だけで15得点17リバウンドを記録するなど、最終的に22得点、21リバウンド、6アシスト、2スティール、2ブロックと攻守で大奮闘。試合後、「やったよ、おばあちゃん。あなたのように僕も戦うと約束するよ」とツイッターに投稿し、亡き祖母に勝利を捧げた。 一方、敗れたグリズリーズは新人のジャ・モラントがキャリアハイとなる35得点を記録。この試合を含めた過去4試合は、右手親指が骨折した状態でプレイしていたことを明かした若きエースは、「負けたことには失望している。負けて嬉しい人はいない。ポジティブな面を見るなら、(プレイオフ出場が)あともう少しだったということ。また練習して、来季に向けて準備を進める」と悔しながらも前を向いた。 グリズリーズではモラント以外に、ヨナス・バランチュナスが22得点、17リバウンド、6アシスト、ディロン・ブルックスが20得点、ブランドン・クラークもベンチから20得点と活躍を披露した。 ウェストの第8シードとしてプレイオフ出場が決まったブレイザーズは、8月18日(同19日)に第1シードのロサンゼルス・レイカーズとプレイオフ1回戦の第1戦を戦う。