八村塁、期待される“エース”としての成長【シーズン再開ガイド】

フロリダ州オーランドで再開される2019-20シーズンにおける注目選手は誰かと訊かれたら、ワシントン・ウィザーズの八村塁の名前を挙げないわけにはいかない。

中断期間中に4.5キロ増量、課題克服にも着手

2019年のNBAドラフト1巡目全体9位という上位指名でウィザーズに入団した八村は、開幕戦から先発出場し、シーズン中断が発表された3月11日(日本時間12日)までの41試合(すべて先発)で、1試合平均29.7分出場、13.4得点、6.0リバウンド、1.7アシスト、フィールドゴール成功率47.8%、フリースロー成功率82.9%を記録した。 203cmの八村は、平均身長が約200cmとされるNBA選手の中では決してサイズに恵まれているわけではない。それでも長い腕と大きな手を持ち、ミドルレンジからのオフェンスを得意にしていることから、サンアントニオ・スパーズとトロント・ラプターズを優勝に導いたカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)のような選手になる可能性があると言われている。もちろん、現時点の八村は、ディフェンス面などを含めた総合力ではレナードに遠く及ばないものの、ゴール下の得点力とミドルシュートの精度では早くも高い評価を受けており、昨年12月1日(日本時間2日)に行われたクリッパーズ戦では、比較されるレナードの目の前で自己最多の30得点を奪ってみせた。2月のNBAオールスター・ウィークエンドでは、2年目までの若手が選抜されるライジングスターズ・チャレンジにワールド・チームの一員として出場。14得点、7リバウンド、4アシストを記録し、全世界のNBAファンに存在をアピールした。

シーズン前半戦での活躍が認められ2月のオールスター・ウィークエンドではライジングスターズ・チャレンジに出場。

シーズン中断中、八村は自宅で筋力強化に励んで体重を10ポンド(約4.5キロ)増やし、5月にチームの練習施設が開放されて以降は課題のスリーポイントシュート(成功率27.4%)の改善に加え、ボールハンドリングやコートビジョンを身に付けるトレーニングを重ねたと語っている。

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“エース”としてチームをプレイオフへ導けるか

再開後のシーズンには、リーグ2位の平均30.5得点を稼ぐポイントゲッターのブラッドリー・ビールと、ビールに次ぐ15.4得点を記録するシューターのダービス・ベルターンスの不参加が決まっている。イースタン・カンファレンス7位のブルックリン・ネッツ(30勝34敗)と8位のオーランド・マジック(30勝35敗)を追う9位のウィザーズ(24勝40敗)にとって、チームのトップ2スコアラーを欠くのは大きな痛手だが、ルーキーながらチーム3位の平均得点をマークしている八村は動じていない。「僕たちにはプレイオフに進出するチャンスがあると思う。この機会を得られたことに興奮している」と気合十分だ。

チームNo.1スコアラーのブラッドリー・ビールが不在となる再開シーズンでは、“エース”役を担う。

明成高校、ゴンザガ大、そして日本代表でチームのエースを任されてきた八村が、いよいよNBAでもチームの“ファーストオプション”としてプレイする。7月19日(同20日)に行われたオンライン会見で「プレイで(チームを)引っ張りたい」とリーダーシップにも意欲を見せた八村。日本のルーキーを中心としたウィザーズが快進撃を見せ、わずか8試合で5.5ゲーム差をひっくり返してプレイオフ進出を果たせば、NBA史上稀に見る大逆転劇として人々の心に刻まれるだろう。

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