サンアントニオ・スパーズのロニー・ウォーカー四世は、その個性的なヘアスタイルで知られている。しかし、その髪をバリカンで刈る様子を、自身のインスタグラムにアップしたことが話題を集めている。 ウォーカー四世は、2018年のNBAドラフト1巡目18位でサンアントニオ・スパーズに指名されてNBA入り。ルーキーイヤーは怪我で長期離脱を強いられたが、2年目の今季は類まれな身体能力を武器に、53試合に出場し、平均5.5得点、2.2リバウンドをマーク。昨年12月3日(日本時間4日)のヒューストン・ロケッツ戦で28得点、4リバウンド、3スティールの活躍を見せるなど、随所で才能の片鱗を披露している。 プレイ面以外では、ドラフト時の帽子を上手く被れなかったほど独特な形をしている髪型が印象的だったウォーカー四世だが、髪を伸ばすと決心したのには、幼少期に経験した辛い出来事が影響しているようだ。ウォーカー四世はインスタグラムにその理由を記した。 「5年生の時に髪を伸ばしはじめた。それは僕の『遮断装置』だったんだ。5年生の夏に、僕は性的暴行を受け、虐待された。でも、それがどういうことなのか分からなかったから、それを普通のこととして受け入れた。その当時、僕が自分の意思でコントロールできたのは、自分の髪型だけだった。自分で髪型を決めることができた。それが自分の自信になったんだ」 辛い過去を告白したウォーカー四世だったが、現在は心身ともに自分は強くなったとし、自信をもたらした髪を切ることを決断したとしている。 「僕にとって散髪は、髪を切ること以上の意味がある。この髪型は、未知なる世界への不安を隠すための仮面だった。だけど、もう以前より強くなった。人生はいつだって辛いものだ。人は与えられたカードを使って、勝負に勝つための手札を作ろうとする。もし勝負に負けたとしても、それは敗北を意味しない。それは人生のレッスンなんだ」 これを報じた『NBA.com』のマイケル・C・ライト記者は、ウォーカー四世のエージェントであるジョージ・ラングバーグ氏のコメントを紹介している。 ラングバーグ氏は「これは、ロニーが長年自分だけで対処してきたことだ。この事実を公表したのは、とてつもない強さと勇気を要することだが、これによってロニーの重荷も少し軽くなったのかもしれない。ロニーは、自身が過去に受けた性的虐待の事実を公表することで、今まさにそれで苦しんでいる人々に『あなたたちは1人じゃない』と伝えた」とウォーカー四世の勇気ある発表を称えた。