オクラホマシティ・サンダーのクリス・ポールはシーズン中からトレードの噂が飛び交い、ニューヨーク・ニックスやロサンゼルス・レイカーズなどが新天地候補に挙げられてきた。新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断しているなか、『Bleacher Report』のグレッグ・スワーツ記者は、今シーズン終了後にシカゴ・ブルズへのトレード移籍を推奨している。 2005年のドラフト1巡目4位指名でNBA入りしたポールは、ルーキーイヤーから先発ポイントガードに定着。ニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)、ロサンゼルス・クリッパーズ、ヒューストン・ロケッツ、サンダーと計4チームでプレイし、歴代7位の通算9,607アシストを記録するなど、リーグ史に残る司令塔として名を馳せている。 15年目の今シーズンも平均17.7得点、4.9リバウンド、6.8アシストを挙げるだけでなく、2年目のシャイ・ギルジャス・アレキサンダーの成長を促すなど、絶対的なリーダーとしてウェスタン・カンファレンス5位(40勝24敗)につけるチームを牽引してきた。 そのなかでスワーツ記者は、ブルズのオットー・ポーターJr.とサディアス・ヤングとのトレード案を展開。ザック・ラビーンら有望株が揃いながら伸び悩んでいるチームを2020-21シーズンのプレイオフ進出に導く“切り札”になると見解を述べている。 「アルトゥラス・カルニソバス新GMが若いコアタレントをプレイオフレベルに引き上げたいと考えているなら、ポールの獲得は大きな一手になる。ザック・ラビーン、ウェンデル・カーターJr.、ラウリ・マルカネン、コービー・ホワイトをステップアップさせられるパス優先のベテラン司令塔が、シカゴで第1オプションである必要はない。新人のホワイトは出場時間の71%をシューティングガードでプレイしていて、身長196cmとポールとバックコートのコンビを組むサイズも備えている。これはラビーンをスモールフォワードにし、トーマス・サトランスキーを6thマンにスライドさせられることを意味する」 このプランでは、年俸面においても「ポールの年俸(4,135万ドル/約44億3,000万円)は高額だが、ポーターJr.とヤングの来シーズンにおける金額と完全一致する」という。また、サンダー側にもレブロン・ジェームズ(レイカーズ)やカワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)ら大物がFA市場に出る2021年オフにおいてメリットがあると補足している。 「サンダーにおいて、ポールのリーダーシップはシャイ・ギルジャス・アレキサンダーの成長を促す意味でも重要だ。ただ、アレキサンダーがフランチャイズプレイヤーになる準備ができ、ポールの市場価値が高い段階で取り引きを成功させれば、支出をかなり抑えられる。ポーターは来季2,850万ドル(約30億5,000万円)のプレイヤーオプション。ヤングも2021-22シーズンの年俸1,354万ドル(約14億5,000万円)のうち保証金額は600万ドル(約6億4,000万円)のみ。サンダーは2021年の夏に3,800万ドル(約40億7,000万円)のキャップスペースを作ることができる」 新型コロナウイルスの影響で今シーズンの再開や来シーズン開幕時期に関して不透明な状況は続いているが、いずれにしてもポールの去就は大きな注目を集めることになりそうだ。