フィラデルフィア・セブンティシクサーズ(76ers)は2月5日(日本時間6日)、敵地でのマイアミ・ヒート戦で106-137と大敗を喫した。同カンファレンスのライバルに力の差を見せつけられる結果となり、大黒柱のジョエル・エンビードは現状のもどかしさを吐露している。 エンビードとベン・シモンズの二枚看板を擁し、2017-18シーズンから2年連続でプレイオフに進出している76ersだが、1月30日(同31日)にはカンファレンス最下位のアトランタ・ホークスに敗れるなど、盤石とは言えない。「76ersには攻撃のアイデンティティがあるか」。『NBC Sports Philadelphia』のノア・レビック記者によれば、この問いかけに対し、エンビードは苦しい胸の内を明かしたという。 「スペースが問題だ。時には速くプレイし、時には遅くプレイする。ただ結局のところ、プレイオフを見据えるとテンポが遅くなり、ハーフコートゲームになる。俺たちが最も苦労している部分だ」 リーグ屈指のシューターであるJJ・レディック(現ニューオーリンズ・ペリカンズ)が在籍した昨季は、エンビードと絶妙な2メンゲームを繰り広げ、オフェンシブ・レーティングはリーグ8位(111.6)を記録した。しかし、今季は3ポイント成功率が35.9%→31.0%にダウン。相手のディフェンスを分散できずに攻撃が停滞し、オフェンシブ・レーティングは20位(108.3)に低迷している。 インサイドで勝負したいエンビードも、チームを機能させるために与えられた役割を受け入れていると主張する。 「昨年はボールの動きが良かった。今年は選手が異なり、みんなが快適に感じられるように俺は多くの犠牲を払っている。インサイドにいるのが快適だが、時には3ポイントラインの外で多くの時間を過ごさないといけない。もちろん、バスケットボールにはバランスが必要で、スペーシングを円滑にするためにはできることはなんでもしないといけないけどね」 昨年10月、「3ポイントを打つのは好きではない」と発言したエンビードは、今季も36分換算で昨季と同じ1試合平均4.4本の3ポイントを試投している。一方で、ポストアップの平均回数は8.1→7.9と微減にとどまっており、データ上はそこまで大きな“犠牲”とはなっていない。 「俺たちは進歩している最中。毎日良くなろうとしている」と必死に前を向くエンビード。シモンズらとの共存の“最適解”を見つけ、チームをさらなる高みへと導けるだろうか。