ポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードは、今NBAで「最も乗っている選手」と言っていいだろう。その驚異的なパフォーマンスの陰には、家族の存在があるという。 在籍8年目を迎えたリラードは、ルーキーイヤーから主力に定着。ラマーカス・オルドリッジ(現サンアントニオ・スパーズ)が退団した2015-16シーズン以降は4年連続で平均25得点以上を挙げるなど、エースとして君臨してきた。 今季も開幕からコンスタントに得点を重ねていたが、特に1月下旬以降の勢いは目覚ましい。現地1月20日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦でフランチャイズ記録の61得点を叩き出すと、同29日のヒューストン・ロケッツ戦では通算495試合目にしてキャリア初のトリプルダブルを達成。NBA史上初めて6試合のスパンで平均45得点、10アシスト以上をマークする離れ業をやってのけ、第15週の週間MVPにも選ばれた。 『The Oregonian』によれば、驚異的な活躍を受け、リラードは「何が次なる高みに押し上げてくれたのか」と何度も尋ねられるという。以前であれば家で1人、暇な時間を潰していたが、昨秋から家族とより多くの時間を過ごすようになった。母親の家にふと立ち寄り、甥っ子を学校に連れていき、できるだけ教会の礼拝に参加する。そうした大切な人との時間が充実のパフォーマンスにつながっているようだ。 「僕を満たして、よりいい気分で居させてくれるものを見つけた。それがコート上でのパフォーマンスに好影響を与えているんだ」 リラードが加入した2012-13シーズンからチームを率いるテリー・ストッツHC(ヘッドコーチ)は、エースの成長をこのように証言する。 「常に自信を持った選手だったが、今はそれに加えて、コート上で起っていることを上手くコントロールしている。彼は今ゾーンに入っている。その卓越したシュート能力ゆえに、パスとゲームコントロールの素晴らしさは見過ごされがちだけどね」 リラード自身、過去に好調だった時期と今とでは“違い”を感じているという。 「僕は今、以前よりもいい選手だと思う。メンタルの準備ができて、レベルが上がったんだ。多くの人たちが成長するために手を貸してくれて、今年はよりいい選手になった」 平均29.8得点とリーグ3位まで浮上したリラード。序盤戦で苦しんだチームもプレイオフ出場圏内の8位を狙える位置につけており、どこまで好調を維持できるかが大きな鍵となりそうだ。