ニューオリンズ・ペリカンズの大型新人ザイオン・ウィリアムソンは、現地1月22日のサンアントニオ・スパーズ戦で待望のデビューを果たし、NBAの舞台で大きな一歩を踏み出した。2戦目では持ち前の豪快なダンクも飛び出すなど、ホットトピックの一つになっているが、今後注目されるのは新人王の行方だろう。 2019年ドラフト1巡目1位指名のザイオンは開幕前に右膝半月板損傷で手術を受け、シーズン45試合目にしてようやく初出場を飾った。3試合連続でスタメン出場し、平均19.5分間のプレイで18.5得点、6.5リバウンド、1.5アシスト、シュート成功率75.0%を記録。迫力満点のダンクやブロックも飛び出すなど徐々に本領発揮をしているが、前半戦全休で出遅れた感は否めない。 ザイオン不在の間、新人王レースを牽引したのがドラフト1巡目2位指名のジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)だ。今季ここまで39試合に出場し、ルーキートップの平均7.1アシストに加えて17.4得点を挙げており、受賞の有力候補と目されている。 『Beale Street Bears』のイーサン・ベッカー記者は、「ザイオン・ウィリアムソンはジャ・モラントの新人王に挑戦できるか?」というテーマで記事を展開。ザイオンを稀有な存在と評価しつつ、前半戦の“ハンデ”が響いてくるとの見解を示した。 「(名センターの)シャキール・オニールのようにがっちりした体格で、現在のリーグで唯一無二。ガードのようにボールを扱い、シュートも打てる。ザイオンが健康であれば、その存在がリーグの未来だと言っても過言ではない。しかし、モラントのゲームが進化すれば新人王のタイトルを主張できる。モラントは50/40/90(シュート成功率50%、3ポイント成功率40%、フリースロー成功率90%)を狙える選手で、それはシーズンの半分を欠場したザイオンにとってはあまりにも先を行くものだ」 ベッカー記者は「オールスターブレイクが近づいていて、ザイオンが乗った波が収まり、過度の注目も落ち着く」との観点から、序盤戦でインパクトを残したマイアミ・ヒートのケンドリック・ナン(平均16.2得点、2.8リバウンド、3.5アシスト)を「抜くことさえ正直難しいかもしれない」と指摘している。 「ザイオンが負傷していなかったら、新人王レースでモラントを倒せたかという議論は、近年で象徴的な“たられば”の一つになるだろう」 ザイオンとモラントがこれらの喧騒を吹き飛ばすほどの活躍を見せ、NBAをいっそう盛り上げるシナリオに期待したいところだ。