“キング”ことレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)と同期のカーメロ・アンソニーは、現地11月19日にポートランド・トレイルブレイザーズと契約。約9カ月半ぶりにNBAの舞台に戻ってきた。35歳となった稀代のスコアリングマシンは、キャリアのエンディングの道を自分の手で作りたいと考えている。 2003年ドラフト1巡目3位でNBA入りしたカーメロ。4年目の2006-07シーズンにリーグトップの平均28.9得点を叩き出すなど、卓越したスコアリング力で同期のレブロン、クリス・ボッシュ、ドゥエイン・ウェイドらとともに瞬く間にNBAの顔となった。 しかしデンバー・ナゲッツ、ニューヨーク・ニックスを経て、オクラホマシティ・サンダーに加入した2017年以降は下降線の一途。昨季はシーズン途中にヒューストン・ロケッツから放出され、トレード先のシカゴ・ブルズから解雇される憂き目に遭った。 ブレイザーズと契約し、約9カ月半ぶりにNBAに舞い戻ったカーメロは、復帰初戦こそ10得点(シュート成功は14本中4本)に終わったが、続くミルウォーキー・バックス戦では3ポイントシュートを3本決めるなど18得点、7リバウンド、4アシストとかつての輝きを垣間見せた。 16年間のキャリアで約2億6000万ドル(282億円)を稼いだカーメロも35歳。豊作だった2003年ドラフトで指名された58人のうち、現在も現役なのはレブロン、カイル・コーバー(ミルウォーキー・バックス)を含めて3人のみで、ルーク・ウォルトン(2巡目32位)はNBAで4年間コーチを務め、ジェームズ・ジョーンズ(2巡目49位)はフェニックス・サンズでGM(ゼネラルマネージャー)職に就いている。 「個人的には、俺ら(2003年組)がベストだと思う。1996年組や他の年の選手たちを軽視しているわけじゃないけどね」 そう自負するカーメロにも、現役引退の時が近づいてきているのは間違いないだろう。それでも、テリー・ストッツHC(ヘッドコーチ)は「このチャンスが彼のキャリアを再スタートさせる」と熟練のベテランに期待を寄せる。 「数年前なら誰かが33~35歳なら、年老いたなと思われるだろう。でも、それはメンタル的なものだ。レブロンは凄まじい。でも、それは彼が練習に身を置き、体をケアに全力を傾けてきた結果さ」 世代交代が進むNBAでカーメロが意地を見せられるか、今季の見どころの一つになりそうだ。