2003年7月24日、サンアントニオ・スパーズがロバート・オーリーと契約した。“ビッグ・ショット・ボブ”の愛称で親しまれるオーリーは、その愛称の通り数々のクラッチショットで有名だった。すでにヒューストンで2度、ロサンゼルスで3度優勝を経験していたが、この優勝した5シーズンのプレーオフにも有名なクラッチショットがいくつもある。もっとも有名なのはロサンゼルス時代の2002年ウエスタン・カンファレンスファイナルにおけるブザービーターだろう。サクラメント・キングスに2対1でシリーズをリードされて臨んだゲーム4で、残り11.8秒99対97でサクラメントリードの場面を迎える。コービー・ブライアントのショットがリングに嫌われ、シャキール・オニールもプットバックを決められず、リバウンドをブラデ・ディバッツが外に大きく弾いた。ボールが転がった先にいたオーリーがブザーと同時にスリーポイントを打つと、ボールはゴールに吸い込まれ、100対99でロサンゼルスが逆転勝利を収めたのだ。 オーリーはサンアントニオでも2度の優勝を経験した。2005年の優勝の際にはファイナルのゲーム5、オーバータイムの残り5.8秒で逆転のスリーポイントを成功。この試合では21点のうち18点を第4クオーターとオーバータイムで叩き出した。2007年の優勝時には、対デンバーのファーストラウンド、ゲーム4の残り30秒で、駄目押しのスリーポイントを成功。キャリア晩年だったが、“ビッグ・ショット・ボブ”の名に恥じない活躍で最後の所属チームにも貢献した。 ダブドリ編集長:大柴壮平