近年、NBAの試合を現地で楽しむ日本のファンの方が増えてきました。その背景には、試合チケットや航空券の購入や、ホテルの予約がオンラインで手軽にできるようになったことが大きく関係しているようです。 しかし、オールスターゲームの現地観戦に関しては依然として敷居が高いというイメージがあります。実際、オールスターゲームのチケットは高額なうえに確保が難しく、NBAオールスターウィークエンド開催中のホテルの宿泊料金も通常より割高になります。 ですが、NBAオールスターウィークエンドには、日本のファンのみなさんに是非とも体験して頂きたい魅力が沢山あります。そこで、この特集では、7年連続でNBAオールスターウィークエンドを現地取材している筆者が、ノースカロライナ州シャーロットで開催された今年のNBAオールスターウィークエンドのリポートを交えつつ「NBAオールスターウィークエンド開催地の楽しみ方」をご紹介します。
楽しみ方1:オールスターゲーム以外にもイベントが盛りだくさん!
NBAオールスターウィークエンドというと、オールスターゲームやライジングスターズ やオールスター・サタデー(スキルズ・チャレンジ、3ポイント・コンテスト、スラムダンク・コンテスト)を思い浮かべる方も多いと思います。ですが、そういったメイン・アリーナで行われる主要イベント以外にも、現地では様々なイベントが行われています。 特に見逃せないのは、サブ・アリーナで行われる各種イベントです。今年は、メイン・アリーナのスペクトラム・センターがあるダウンタウンから車で10分ほどの距離にあるボージャングルズ・コロシアムがサブ・アリーナでした。
メイン・アリーナで行われるイベントのチケットはどれも高額ですが、こちらの会場のチケットは比較的安価で手に入りますし、イベントの規模も小さいため、選手を間近で見ることができるというメリットがあります。 オールスター選手たちが一堂に会して練習する様子はこの会場でしか見ることができないので、ぜひお見逃しなく!
楽しみ方2:街全体がNBAのテーマパークに!
NBAオールスターウィークエンドの期間中は、開催地の街全体がNBAのテーマパークになります。その中心となるのは、NBAやNBA関連企業が趣向を凝らしたブースを構える特設イベント会場の『NBA CROSSOVER』です。かつては『NBA JAM SESSION』という名で親しまれていたこの特設会場では、NBAをテーマとした様々なアトラクションが無料で楽しめるほか、NBAやWNBAの現役選手やレジェンド選手が頻繁に訪れてサイン会や握手会を行います。ここでは、「アトラクションを楽しんでいたら真後ろにスター選手が…」なんてことも頻繁にあります! また、ナイキやアディダスやプーマといった主要スポーツ・ブランドがNBAオールスターウィークエンド限定でオープンしているポップアップ・ストア(期間限定のショップ)やイベント・スペースも要チェックです。ここでも体験型アトラクションを無料で楽しめるほか、特別なシューズやウェアの展示・販売や、各ブランドの契約選手が登場するイベントも開催されます。
楽しみ方3:現役NBA選手やNBAレジェンドに出会う確率が高い!
NBAオールスターウィークエンドの期間中は、オールスターゲームやライジングスターズ といった主要イベントに出場するNBA選手だけではなく、契約している企業のプロモーション等のために数え切れないほどのNBA選手やNBAレジェンドが現地入りするため、街中で彼らと遭遇する確率が非常に高くなります。何気なく街を散策していたら、「NBAレジェンドと一緒に信号待ち」とか「エレベーターに乗ったらNBA選手がいた」といった普通では考えられないようなシチュエーションを何度も経験するはずです。NBAオールスターの開催地では、可能な限り街に出て歩き回ることをオススメします!
楽しみ方4:レアなアイテムをゲットできるチャンスが高い!
NBAオールスターウィークエンドの期間中に発売される限定モデルのシューズや新作シューズを手に入れるために、ナイキをはじめとする大手シューズ・ブランドのポップアップ・ストアには毎年長蛇の列ができます。なかには、その貴重なシューズを買うためだけにオールスターの開催地を訪れる人もいるほどです。 そういった入手困難な激レア・アイテムをゲットすることも勿論ですが、各イベントブースで無料配布される限定グッズを集めたり、その年のオールスターゲームのユニフォームやTシャツの中からお土産を探すことも、NBAオールスターウィークエンドの開催地の楽しみ方の一つです。 オールスターゲームが終わった翌日から、その年のNBAオールスター関連のグッズのセールが始まるので、帰国前にもう一度ショップを覗くことをお忘れなく! 来年のNBAオールスター開催地のシカゴは全米でも有数の大都市で、メイン・アリーナとなるシカゴ・ブルズの本拠地ユナイテッド・センターはダウンタウンから距離があるため、かなり広範囲で数多くの特別イベントが行われることが予想されます。『ウィンディー・シティー(強い風が吹く街)』として知られるシカゴの冬は厳しく、2月には氷点下20度を記録することもありますが、マイケル・ジョーダンらの活躍によって1990年代後半から2000年代初頭にかけて『ブルズ王朝』を築いたシカゴの街で開催されるNBAオールスターは、きっと熱く盛り上がるはずです。 さらに来年は、今年のNBAドラフトで上位指名されることが期待されている日本の八村塁選手(ゴンザガ大)が、オールスター・サタデーに行われるライジングスターズに世界選抜の一員として出場する可能もあります。
NBAジャーナリスト/イラストレーター 西尾瑞穂 雑誌・テレビ・インターネット等の媒体で活動するフリーランス・イラストレーター。イラストを通じてNBA選手やNBA球団と親交を深めており、NBAの現役選手に頼まれてイラストを制作する機会も多数。ファン歴25年以上という熱狂的なユタ・ジャズのファンだったが、最近ではイラスト制作をきっかけにチームと密接な繋がりを持つようになり、昨年はジャズの球団社長から直接依頼を受けてチームの公式イラストを制作した。NBAジャーナリストとして8年前からNBAの現地取材をスタートし、NBAオールスターゲームは毎年現地で取材している。