『NBA 2K19』発売記念! 製作シニアプロデューサーエリック・ベニッシュ氏に独占インタビュー!
全世界でシリーズ累計8000万本、圧倒的なリアリティを誇り、世界中が熱狂する唯一無二のNBAゲーム『NBA 2K』。 前作の『NBA 2K18』はなんと、全世界で1000万本以上のセールスを記録し、20億回以上の試合が開催され、合計6億時間以上プレイされたという。 そんな、大人気ゲーム『NBA 2K』シリーズの開発会社である「Visual Concepts Entertainment」に16年以上在籍している製作シニアプロデューサーエリック・ベニッシュ氏に独占インタビューをし、最新作の魅力について語ってもらいました。
はじめに、ゲームのシニアプロデューサとは、日頃どのような業務をされているのでしょうか。
私は、2Kシリーズを開発している『ビジュアル・コンセプト』社で働いており、入社して16年半ほどになります。 シニアプロデューサーとは具体的に何をやるのだろうと思われるかもしれませんが、ゲームの中の様々な機能のデザインに関わっています。 デザインに関しての責任を持っていますし、ローカライゼーションなどの業務も行っています。
チームの規模はどのぐらいなのでしょうか。
開発メンバーが毎日増えていたので正確な数はわかりませんが、開発が終わったタイミングで言うと150人くらいです。 本当に大規模なゲームを開発しているので、大人数で開発しています。
今作『NBA 2K19』のパワーアップしたポイントを教えてください。
ゲーム全体がパワフルになったというのが一番の答えで、大人数で開発しているのでゲーム全体を良くできるのです。 でも、あえて選ぶとすれば「My CAREER」のThe Way Backというストーリー。そしてあとは「Neighborhood」ですね。 そこは本当にテクニカルで難しい側面があったので、開発チームには敬意を表したいです。
『NBA 2K19』から新たに登場する新システム「テイクオーバー」について教えてください。 具体的に、ゲームの中でどのように使うのでしょうか。
実は先程、前園さんがプレイしている時に「テイクオーバー」が発動していたんですね。 ステフィン・カリー選手が、何本もシュートをいれていましたよね、つまり火がついて絶好調状態といことで、それが「テイクオーバー」です。 この状態になると、潜在能力がアンロックされて、選手に合わせ新しいモーションであったり能力値が開放されて、潜在能力がフルに発揮できる状態になるのです。 前園さんにとっては大変不幸な状態でしたね(笑)
つまり、相手のチームの選手には「テイクオーバー」を発動させないように、こちらのチームの選手は「テイクオーバー」させることがポイントということですね。
まさにそのとおりです。
実際の試合のようなゲーム展開を『NBA 2K19』中で体験できるんですね。
そうですね。選手には実際にバイオリズムがありますし、絶好調になるいわゆるゾーンに入ったりもします。選手それぞれの調子のアップダウンを再現しようとしているというのがこのシステムです。
ドリブル・ボールコントロール・シュートモーションなどは実際の選手の動きを取り込んでいるという話ですが、実際に選手が撮影スタジオに来て撮影したりするのでしょうか。
『NBA 2K』シリーズは20年も続いているので、すごくアメリカの文化に根付いてきてるんですね。 今の現役選手は子供の頃にこのゲームをプレイして育った人たちなんです。ですので、いつかNBAの選手になりたい。そして選手の個人的な思いとして『NBA 2K』のあのゲームにも登場したいという選手がいて、選手の方から「お願いだから自分でスタジオに行くので、撮影して取り込んでくれ」とわざわざお願いされるのです(笑)
それはすごいですね(笑)
もちろん来ていただけない選手もいるので、それはプロのアスリートにお願いして、マネをしてもらいます。そのようにして、全てのNBAの選手の動きを取り込めるようにしています。
実際の選手は、ゲームの中でデータ化され再現されているのですが、我々プレイヤー側がゲームの中に入るためのコンパニオンアプリは今作にもありますでしょうか。
今作もコンパニオンアプリがあります。 iPhoneとかAndroidで自分の顔をスキャンすることでき、アバターの顔を自分の顔にすることができます。 そうすることによって、実際に自分がゲームの中に参加しているような感覚を体験をすることができるのです。
ユーザーはスタジオに押しかけることができないんですが(笑)、コンパニオンアプリを通せばゲームの世界に入れるような体験ができるということですね。
そうですね、まさにそれを目指しています。世界中の誰もが、自分自身を『NBA 2K』内に取り込むことができることを目指しています。
実は、あまりにもやることが多すぎて、どれから手を付けていいのか分からないですが、どのモードから始めるのがおすすめででしょうか。
難しい質問ですね。 2つあるですが、まず1つ上げるとしたら「MyTEAM」です。 制約がなく、好きな選手を集めて自由にチームを作ることができるという楽しみがあるのが「MyTEAM」モードですね。 そして、もう1つは「My CAREER」モードですね。 やはりこのゲームを代表するストーリー付きのモードで、NBAの選手を目指すという「夢を生きるんだ」というのを体験できるモードで、その中で脇道にそれてドッチボールをするとかバスケではない楽しみ方もできるし、本当にいろいろな事ができるモードになっています。
2年目を迎える初のプロフェッショナルeスポーツ・リーグ「NBA 2K League」が、次シーズンから4チームの加入により、さらに盛り上がりをみせています。eスポーツ・リーグの今後の展開を教えてください。
eスポーツは私達にとって、大変重要な市場となっております。そうしたことを意識して、ゲームの中でシュートシステムを変更しました。 シュートが入る入らないが、運にならないように「運ゲー」でなくスキル中心でプレイできるようにしました。もちろん選手のスキルはあるのですが、スキルの高いスティフィン・カリー選手が打てば入るというものではなく、一番重要なのはスティックをタイミングよくメーターに合わせて操作できるスキルを身につけることであり、eスポーツとして自分の腕を磨くことが非常に重要になっております。 また、eスポーツは、今後さらに精力的に取り組んでいこうとしている分野で、先日はじめて「NBA 2K League」を終えることができ、チャンピオンも決まりました。 来年は更に4チーム参加が決まり、私がファンのレイカーズも含めて参加する予定ですので、さらに楽しみな展開になると思います。
前作の『NBA 2K18』は、世界で1000万本の売り上げを達成しましたが、『NBA 2K19』は目標やビジョンがありますでしょうか。
個人としても、また開発チーム全体の思いとしても、なるべく色々な人にこの『NBA 2K』を楽しんでもらいたいと思っています。 販売本数とかそれよりも、とにかく遊んでほしい、楽しんでほしいと思っています。 メールでいろいろな声をいただくのですが嬉しいのは「家族で遊んでいます」とか「親子で遊んでいます。それで親子の絆が深まりました」というような話を聞くと胸が熱くなりますね。 今オンラインの時代になってきていて、みんなスマホの画面を見ていて、お互い見向きもしない、話もしない、そういう世の中になってきている中で、このゲームを通じて、家族や友達との絆が深まるのであれば、本当にそれはやりがいのあることだと思います。 あと、もう一つ更にその先を目指すことがあれば、とにかくファンの声に応えて、このゲームをますます成長させていきたいと思ってます。 私達がやっていくことは、全てのファンの方々に後押しされて、皆様が求めるものを作り続けて行くことだと思っています。
日本の市場についてはどのように考えていますか。
すでに過去数年に取り組んできたこととしては、日本市場において世界同時発売を目指してきたということですね。 以前は、他の地域と比べて6〜10週間ぐらい遅れて日本で発売されていましたが、日本のファンから「もう少し頑張って欲しい」という要望があり、私達は努力をして、2年連続で全世界同時発売を達成することができました。 本当に開発チームのみんなが頑張ってくれたと思っています。 そして更に日本の市場に期待することとしては、より多くの人に『NBA 2K19』を体験してほしいと思っています。バスケファンはもちろんですが、それ以外のかたにもぜひ楽しんでほしいです。そして、その中でバスケットというものが全世界のみんなが楽しんでいる、多くのファンがいるということを知ってもらい、さらにこのゲームを通してバスケットの魅力が伝わっていけばと思っています。
日本の『NBA 2K』ファンに一言お願いいたします。
本当にファンの皆様ありがとうございます。特に毎年買っていただいていることに何より感謝しています。 私達は、毎年ベストを尽くして、ファンにベストのゲームを提供できるように挑戦しています。 そして常にファンの声にお応えすることを重要視していますが、そういう意味では、今回発売する20週年記念エディションはファンに対する1つのラブレターであり、感謝のしるしです。そのような思いで制作しておりますので、ぜひ手にとっていただければと思います。 ありがとうございました。