マイアミ・ヒートのジミー・バトラーは、自身のコーヒーブランドを立ち上げるほどのコーヒーフリークだ。ミルウォーキー・バックスとのプレイオフ1回戦の期間中、アウェーの地でバックスファンからサポートを受けたという。『The Athletic』のダーネル・メイベリー記者が伝えた。 プレイイン・トーナメント2試合の末にイーストの第8シードを獲得したヒートは、プレイオフ1回戦で第1シードのバックスとの対戦が決定。シリーズ第1戦、2戦はホームコート・アドバンテージを持つバックスのホームで戦うことになった。 「コーヒーがすべてだ。コーヒーは友であり、家族だ」 そう言い切るバトラーは、シリーズ最初の2試合でミルウォーキーに5日間滞在する期間、美味しいコーヒーを味わうために、豆を挽くコーヒーグラインダーを現地で貸してくれる人を探索。そして、ミルウォーキーの喫茶店『Interval』のオーナー、38歳のライアン・ホーバンさんに辿り着いた。 「家にグラインダーは一つある。マシンや豆、カップは持っていくだけだけど、グラインダーは重いから持ち運びが大変なんだ。だから、どの都市にも(グラインダーを)貸してくれる人がいれば、それはすごくいいことだ」 ホーバンさんは友人から依頼の電話を受け、「ジミー・バトラーのためと言われて、エスプレッソのグラインダーを持っていることを思い出した」。そして、バトラーの代理人と連絡を取り、ウィスコンシン州メクオンまでグラインダーを届けに行ったが、さすがに本人が姿を現した時には「なんてことだ、ジミー・バトラーだ!」と興奮したという。 バトラーとホーバンさんは、コーヒーとバックスについて少し会話し、ホーバンさんはバックスとのシリーズで手加減してほしいとお願いした。実際は、第1戦でバトラーが35得点、11アシストと大活躍を見せたことで、バックスはヒートに117-130と敗れる結果になった。 「息子2人と一緒に試合を見ていたけど、第1、第2クォーターはジミー(バトラー)がクレイジーだったから、子供たちは僕に怒っていた。バトラーとの出来事を話した人たちからも何人かメールをもらった。『これ(バックスの敗戦)は君のせいだ』ってね」 ホーバンさんは、コーヒーグラインダーを貸し出して、1週間分のレンタル料を受け取ったというが、バトラーとの奇妙な関係は一生ものになったに違いない。