NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
ポートランド・トレイルブレイザーズ(以下ブレイザーズ)は昨季27勝55敗と大きく負け越してカンファレンス13位に終わり、9年ぶりにプレイオフ進出を逃した。その大きな要因となったのは、言うまでもなく大黒柱であるデイミアン・リラードの長期欠場だ。節目となる10年目の2021-22シーズンは腹部の手術で29試合の出場にとどまり、平均24.0得点、FG成功率40.2%、3ポイント成功率32.4%と数字も伸び悩んだ。 オフにはトレードの噂が出たが、ブレイザーズは今年7月に2年総額1億2200万ドル(約178億円)のオファーを提示して、2026-27シーズンまで契約を延長した。これまでも、ブレイザーズ一筋を貫き、忠誠心を誓ってきたリラード。「俺は生まれつき忠実な人間。組織に対しての忠誠心はもちろん、自分の信念を大事にしているから、自信を失うことはない。誰もが『ブレイザーズが勝つなんてありえない』と言うかもしれないけど、俺たちはそれを実現しないといけないし、勝つチャンスはあると思う」と、チームを勝利に導くことを誓っている。
ブレイザーズは昨季途中、リラードと8年半コンビを組んできたCJ・マッカラム(ニューオーリンズ・ペリカンズ)をトレードで放出する大ナタを振るった。攻撃面でエースに次ぐ第2オプションとして期待されるのが5年目を迎えるアンファニー・サイモンズだろう。 4年目の2021-22シーズンはキャリアハイの平均17.3得点、3ポイント成功率40.5%、3.9アシストをマーク。特に、2・3月は平均23.0得点、FG成功率46%、3ポイント成功率42%、FT成功率87%と成績を伸ばした。キャッチ&シュートの3ポイント成功率47.8%は、試投数200本以上の113選手の中でトップ。リラードがディフェンダーを引き寄せるなかで、きっちり仕留められるか。オフには4年総額1億ドル(約146億円)で契約延長しただけに、必然的にハイパフォーマンスがノルマとなる。
ブレイザーズは過去3シーズンの平均失点でリーグ26位(116.1点)、23位(114.3点)、27位(115.1点)と低迷。バックコートのリラードとサイモンズのコンビは、以前のリラード&マッカラム時代から引き続きディフェンスではウィークポイントとなる。得失点差がリーグ最下位に沈んだことを考えても、プレイオフ進出争いに食い込むためには守備力アップは必須条件だ。 鍵を握るのは新戦力のジェレミー・グラントとゲイリー・ペイトン2世だ。トレードで獲得したグラントは身体能力が高く、3&Dの素養は十分で、ストッパーとしてはもちろん、2年間在籍したデトロイト・ピストンズで平均22.3得点、平均19.2得点とスコアリング面でも年々成長している。無制限FA(フリーエージェント)で加入したペイトン2世は、昨季リーグ優勝を果たしたゴールデンスイテイト・ウォリアーズのストッパー兼シックスマンとして活躍。本格的なセンターはユスフ・ヌルキッチのみでスモールラインナップを敷く可能性もあり、2人にはディフェンス面を牽引することが求められる。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:106.2(27位) 平均失点:115.1(27位) 得失点差:-8.9(30位) 平均リバウンド:42.9(27位) 平均アシスト:22.9(26位) 平均スティール:8.0(8位) 平均ブロック:4.5(21位) FG成功率:44.2%(26位) 3ポイント成功率:34.6%(23位) FT成功率:76.0%(22位) オフェンシブ・レーティング:107.3(27位) ディフェンシブ・レーティング:116.3(29位) ※カッコ内はリーグ順位