NBAは日本時間10月19日(現地18日)に、2022-23シーズンが開幕する。NBA Rakutenではシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
フェニックス・サンズは昨季リーグトップの64勝を挙げ、2004-05シーズン以来となるウェストの第1シードを獲得するも、カンファレンス準決勝でダラス・マーベリックス(以下マブズ)に敗れた。2年ぶりのファイナル進出、そして初優勝を狙うなか、差別行為が問題となっていたロバート・サーバー・オーナーが1年の職務停止処分となりチームの売却を発表。また、トレーニングキャンプ前に放出が噂されたチームのいぶし銀、ジェイ・クラウダーがその報道を受けてトレード志願するなど、オフはコート内外でのゴタゴタが目立っていた。 それでも、4年連続でシーズンダブルダブルを達成した制限付きFA(フリーエージェント)のディアンドレ・エイトンを引き留め、クリス・ポール、デビン・ブッカー、ミケル・ブリッジズを含めたチームのコアをキープすることに成功している。クラウダーの穴は、昨季キャリア最高の平均12.5点、3ポイント成功率42.5%を挙げたキャメロン・ジョンソンが埋めることになりそうだ。 エイトンのバックアップとして存在感を示していたジャベール・マギー(マブズ)が抜けたのは痛手だが、控えにはシューターのランドリー・シャメット、キャメロン・ペイン、ストッパーのトーリー・クレッグ、新戦力のデイミオン・リーとジョシュ・オコーギー、昨季怪我で全休したダリオ・シャリッチも復帰予定と地味ながらもまずまずの戦力が揃っている。クラウダーのトレード次第では、昨季以上のロスターを組めるかもしれない。
司令塔ポールの起用法は、新シーズンのサンズで大きなテーマとなる。昨季は右手親指の骨折で17試合を欠場したが、平均14.7点、10.8アシストと37歳でも衰え知らずの活躍を披露。ただ、マブズとのカンファレンス準決勝では相手の徹底マークに苦しみ、平均13.4点、5.7アシストと本来のパフォーマンスを披露できず。特にミスが多くなった第3戦以降は平均3.6ターンオーバー(第2戦まではプレイオフ平均1.6ターンオーバー)と、らしくないプレイも見受けられた。 来年5月で38歳とシーズン通してのコンディション調整が重要になるなか、プレイオフの戦いを見据えてどう起用していくのか。5年目のブリッジズにプレイメイクを任せるような時間を作るなど、様々な形でベテランの負担軽減を模索しているだけに、モンティ・ウィリアムズHC(ヘッドコーチ)の采配に注目だ。
サンズは過去2年連続で勝率7割以上とレギュラーシーズンでは抜群の安定感を誇る。新シーズンも健康状態を維持できればウェストの上位に入る可能性は高い。だが、フランチャイズ史上初のリーグ優勝には得点源であるブッカーのさらなる活躍が不可欠だ。 今年7月に4年総額2億1400万ドル(約326億円)のスーパーマックスで契約延長。昨季はふくらはぎの怪我で14試合を欠場したが、チームトップの平均26.8点を記録し、名実ともにチームのエースとして君臨した。しかし、マブズとのシリーズではラスト2試合で平均15.0点、FG成功率29%、3ポイントシュートは8本全てミスと急ブレーキ。近年のサンズの成功はポールによるものという印象が強いが、ブッカーが誰もが認めるスーパースターにステップアップできれば、その分だけ優勝が近づくはずだ。
■2021-22シーズン チームスタッツ 平均得点:114.8(5位) 平均失点:107.3(8位) 得失点差:+7.5(1位) 平均リバウンド:45.3(10位) 平均アシスト:27.4(4位) 平均スティール:8.6(6位) 平均ブロック:4.4(22位) FG成功率:48.5%(1位) 3ポイント成功率:36.4%(9位) FT成功率:79.7%(7位) オフェンシブ・レーティング:114.2(5位) ディフェンシブ・レーティング:106.8(3位) ※カッコ内はリーグ順位