1984年から2003年までユタ・ジャズ一筋でプレイし、NBA歴代1位となる1万5806アシスト&3265スティールをマークしているジョン・ストックトンが、母校ゴンザガ大のシーズンチケットを取り上げられるという事態に見舞われている。同大のマスク着用義務に従わなかったのが原因だ。 ゴンザガ大はストックトンや八村塁(ワシントン・ウィザーズ)などNBA選手を多数輩出した実績のある名門で、今季も『AP通信』のランキングで1位にランクインする強豪だ。そんな古巣の応援にしばしば駆けつけていたストックトンだったが、新型コロナウイルスの流行以降マスクの着用を拒んでいたという。『The Spokesman-Review』のインタビューに対して、パンデミック以降に大学の担当者と何度も話し合ってきたと明かした。 「彼らは私にマスクを付けて試合観戦するよう求めていたが、著名人である私は少し目立ってしまう存在だった。それで大学は苦情を受け、私にマスク着用を求めるか、チケットを取り上げるかしなければならないとなったのだろう」 ゴンザガ大側は安全衛生プロトコルやマスクの必要性について、「屋内でのマスク着用義務の強化を含め、州と大学の方針によって義務付けられた安全衛生プロトコルの実施と強化に引き続き尽力します。バスケットボールの試合に来場する方には、常にマスクの着用が義務付けられています。ゴンザガ大学は、学生、従業員、地域社会の健康と安全を守ることを最優先します」と声明を発表している。 ストックトンはワクチンの接種義務やマスク着用義務化に強く反対の立場を取っており、昨年6月に公開されたドキュメンタリーでは、「ワクチン接種で150人のプロ選手が死亡している」と述べている。しかしそうした報告は確認されておらず、米国疾病対策センターによると、日本時間2020年12月15日(現地14日)から2022年1月19日(同18日)までのワクチン接種による死亡例は、わずか0.0022%だという。 ストックトンはゴンザガ大のリクエストするマスク着用に対して「検討はしている」とし、母校との関係が壊れるとは考えてはいないようだ。 「この先、いろいろな方向に進む可能性があり、そのすべては時間が解決してくれると思う。私の関心は双方の関係を維持することだし、彼らも同様だ。彼らは我々がお互いに重要な存在であることを明確にしているし、それは変わらないと思う」 2003年の引退後、ゴンザガ大の近くで同大のアスリートも通うジムを経営するなど地元愛が強いストックトン。再びアリーナで後輩たちを応援する時はいつになるのだろうか。