日本時間5月29日(現地28日)、アメリカン・エアラインズ・センターでウェスト第4シードのロサンゼルス・クリッパーズ(47勝25敗)と第5シードのダラス・マーベリックス(42勝30敗)によるプレイオフ1回戦第3戦が行われる。ホームで2連敗を喫し、逆境に立たされるクリッパーズ。負けられない第3戦は、大黒柱カワイ・レナードの真価が問われる一戦となる。 レナードがクリッパーズに移籍したのは、フリーエージェントとなった2019年の7月。地元サンディエゴに近く、より戦力が整ったチームに、オクラホマシティ・サンダーとのトレードでやってきたポール・ジョージとともに加入した。スター選手が2人加わり、一気に優勝候補の一角にのし上がったクリッパーズだったが、昨季はデンバー・ナゲッツと対戦したカンファレンス準決勝で敗退と期待を裏切る結果に。3勝1敗とリードしながらも、そこからまさかの3連敗を喫して逆転劇を許したクリッパーズは、各メディアから揶揄され、レナードのリーダーシップも疑問視された。 リベンジを期して臨んだ今プレイオフでレナードは、2試合で平均33.5得点、8.0リバウンド、4.5アシスト、FG成功率53.5%と獅子奮迅の活躍を見せるも、チームはホームで2連敗。『Fox Sports』のインサイダーであるリック・ブッチャー氏が「(サンアントニオ)スパーズにはティム・ダンカンとマヌ・ジノビリが、(トロント)ラプターズにはカイル・ラウリーとフレッド・バンブリートがいた。それを踏まえるとカワイは優勝チームの一員にはなれるが、そのチームのリーダーにはなれないのだと気付かされる。これを覆すチャンスはあったが、彼は現状ステップアップしていない」と語るなど、スパーズ(2013-14シーズン)とラプターズ(2018-19シーズン)で優勝を経験したスーパースターに対する目は日に日に厳しくなっている。 しかし、そんななかでもレナードは、まだシリーズ巻き返しを諦めてない。もし3連敗となれば1回戦突破は絶望的となるが、冷静かつ前向きに次戦への意気込みを語った。 「これはプレイオフだ。何とかして突破口を導き出さなければならない。そのためにも、全員が同じ方向を向く必要がある。魔法などはない。集中して、目標に向かって突き進むのみだ」 クリッパーズが勝利を掴む上で課題となるのがディフェンスだ。2試合でマーベリックスに平均120点、FG成功率54.4%、3ポイント成功率50%を許している拙守については、レナードも「(相手)オフェンスを止めなければならない。簡単なドライブ、ダンク、レイアップを与えすぎている。お互いを助け合い、ディフェンスに集中しなければいけない」と危機感を抱いており、自ら先頭に立ち改善することが求められる。 寡黙なレナードはリーダーとしてチームを牽引し、シリーズの流れを変えることができるのか。勝負の分かれ目となる第3戦に注目だ。
■ロサンゼルス・クリッパーズ対ダラス・マーベリックス 日時:日本時間5月29日(土)午前10時30分 会場:アメリカン・エアラインズ・センター 解説:塚本清彦 / 実況:三橋泰介