日本時間1月7日(同6日)に行われたNBAの試合で選手たちは、前日に不起訴となったジェイコブ・ブレイク事件と、ドナルド・トランプ氏支持者が連邦議会で起こしたデモに対し、抗議する姿勢を示した。『AP通信』のティム・レイノルズ記者が報じている。 ミルウォーキー・バックスとデトロイト・ピストンズの一戦では、試合開始直後、両チームとも最初のポゼッションで人種差別への抗議の意思を示す「膝つき」を実施。ブレイク氏が警察官に拳銃で7発撃たれたことにかけて7秒間ボールを持ったあと、意図的にボールをコート外に投げた。 他の試合では、国歌斉唱中に抗議を示す行動がとられていた。ロサンゼルス・クリッパーズ対ゴールデンステイト・ウォリアーズ戦では、両チームの選手が“Black Lives Matter”のTシャツを着て膝をつき、トロント・ラプターズとフェニックス・サンズの選手たちは円を描くように立ち、互いに腕を組む形で抗議の意思を表明した。 また、同様に国歌斉唱中に膝つきを実施したマイアミ・ヒートとボストン・セルティックスは、共同で声明を発表している。 「2021年は新しい1年ですが、まだ変わっていないこともあります。我々は悲しい気持ちで今日の試合をプレイします。昨年の春と夏に行われた勇気を与えるデモと、今日起きた抗議者達の違法な行動の扱われ方に大きな違いがあることが、まだ我々の道のりが長いことを示しています。今日は人々の人生に喜びをもたらすため、プレイすることを決断しました。ただ、我々の社会に不公正が実在することを忘れてはいけません。そして我々は、自分たちの声とプラットフォームを使い、この問題を取り上げ、平等と正義をアメリカにより一層もたらすべく、できる限りのことをしていきます」 1月6日(同5日)、昨年8月にNBA選手が試合をボイコットするきっかけとなったジェイコブ・ブレイク事件に対し、ウィスコンシン州ケノーシャ郡の地方検事マイケル・グレイブリーは、ブレイク氏を発砲した警察官を起訴しないことを発表。 また7日には、米大統領選の投票結果を認定するための連邦議会にトランプ氏支持者が乱入。この騒動により4人が死亡したとされている。