八村塁が所属するワシントン・ウィザーズは、11月18日（日本時間19日）に行われたNBAドラフトの1巡目全体9位でイスラエル出身のデニ・アブディヤを指名した。 16歳の時にイスラエルの名門マッカビ・テルアビブでプロ選手としてのキャリアをスタートさせたアブディヤ。ルカ・ドンチッチ（ダラス・マーベリックス）を彷彿とさせる多彩なプレイスタイルで、2018年からチームをイスラエルリーグ3連覇に導き、2020年にはリーグMVPに選出された。今年のドラフトの注目選手の1人として、一時は上位3位以内で指名されることも予想されていた。 イスラエル人として初のロッタリーピック（ドラフト14位以内の上位指名）選手となったアブディヤは、ドラフト指名後のインタビューセッションでNBAでプレイする意気込みを語った。 ――ウィザーズに指名されることは予想していた？ 「ドラフトでは何でも起こり得るし、どのチームから指名を受けても不思議ではないと思っていたので、準備はできていた。ワシントンでプレイすることに、とても興奮している。ウィザーズはとても良い球団なので、指名されて僕は本当に幸せだ」 ――ワシントンの街、球団について、どんなイメージを持っている？ 「僕のエージェントはアメリカ人で、しかもワシントン出身だから、彼からワシントンの良い所にをいつも聞いていたんだ。以前から、彼とは『もしかしたら隣同士の部屋に住むことになるかもね』と話してた。ワシントンはアメリカの首都で、とても良い街だし、ウィザーズは素晴らしい球団だと聞いているから、とても興奮しているよ」 ――ウィザーズのロスターについては、どのような印象を持っている？ 「才能あふれる選手が揃っていると思う。僕はチームメイトに会って、すぐに練習を始める準備ができている。彼らとともに切磋琢磨して、良いシーズンを送れることを願っているよ。僕はチームのために全力を尽くす。できれば、可能な限り多くの勝利を重ねたい」 ――現時点におけるNBA選手としての目標は？ 「まずは基本に立ち返って熱心に練習するつもり。日々、自分のプレイを改善し、より良い選手になり、可能な限りチームを助けたいと思っているよ。結局のところ、僕は最高の”デニ・アブディヤ”になることを目標にしているし、過去を振り返って後悔したくないと思っている。僕の目の前には素晴らしい旅が待っているので、とても興奮している」 ――イスラエル人選手として初めてロッタリーピックで指名された感想は？ 「こんなに高い順位で指名されるとは思っていなかった。これは本当に凄いこと。イスラエルは小さな国だから、他の国のように多くのNBA選手を輩出しているわけではない。でも、僕は自国代表として歴史を作ることができて、とても幸せだよ。僕は、全国民の想いを背負っている。だから、彼らの代表として恥ずかしくない選手になりたい。こんな瞬間が現実に起こるとは思っていなかったし、今もまだ夢心地なんだ。本当に、言葉がないよ」 ――イスラエル出身でNBAでの経験があるオムリ・カスピや、ガル・メケルはあなたのお手本？ 「オムリとは昔一緒のチームでプレイしたことがあるから、彼とはよく連絡を取り合っていた。彼からは、特にNBA1年目の経験についての話を聞いたんだ。NBAのルーキーとして必要なスキル、シーズン中のスケジュールや移動についての話などをね。彼のチームメイトだった時は、本当に多くの話を聞いたよ」 ――プロバスケットボール選手だった父親の存在も大きい？ 「とても大きい。家族の中に、自分以外で闘争心がある人間がいるというのは重要なこと。父は素晴らしい選手だったから、コート上のプレイや、細かなテクニックについて色々と教えてくれたんだ。それが、僕のプレイにも反映されているかもしれない。また、父はプロになるためのアドバイスや、練習の重要性、そして勝利のためにプレイすることの大切さも教えてくれた。彼の教えは、僕にとって非常に大きかった」 ――次世代のイスラエル人選手のためにNBAへの道を切り開いたことは、あなたにとっても特別なこと？ 「若い選手にモチベーションを与えられたとしたら、それは僕にとって幸せなこと。僕は、彼らのモチベーションを高めるために、できるだけのことをするつもりだよ。僕から学び、僕を見てモチベーションを高めた選手が「小さな国の人間でも大きなことを成し遂げられる」と思ってくれたら嬉しい。僕たちは大きなことを成し遂げたし、これからも大きなことを達成していくつもりだ。そして、僕はNBA選手として多くの人を助けたいと思っている。僕の助言が必要な人がいたら、僕は惜しまずアドバイスを与えるよ」