ニック・ナースHC、1年前のラプターズ初優勝を回想 カワイ・レナードがチーム一丸とさせた一言とは?

2019-20シーズンのNBAは、新型コロナウイルスによる中断、バブル(隔離地域)内での再開と未曾有の出来事を経て、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスを擁するロサンゼルス・レイカーズの通算17回目の優勝で幕を閉じた。NBAファイナル第6戦が行われた10月11日(日本時間12日)、昨季王者であるトロント・ラプターズのディフェンディングチャンピオン期間は1シーズンにおける過去最長の486日でピリオドが打たれたが、ニック・ナースHC(ヘッドコーチ)は、フランチャイズ史上初の優勝を成し遂げた舞台裏を改めて振り返っている。『Sportsnet』のジョシュア・ハウ記者が伝えた。 2018-19シーズン、カワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)とダニー・グリーン(現ロサンゼルス・レイカーズ)を加えたラプターズは、開幕12勝1敗とロケットスタートを切ったが、その後に3連敗。レナードと他の選手が噛み合わずにオフェンスを停滞させ、ナースHCが推奨する全員バスケにそぐわないとの懸念が強まった。そのなかで、普段は物静かなレナードが自分の意見を主張したという。 ナースHCは、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者がホストを務めるポッドキャスト『The Woj Pod』でこのように語っている。 「たしかに、そういう見方が強まっていた。特に、セカンドユニットの選手たちからね。もっとボールを動かそうという話をしていたなかで、カワイは手を挙げて言ったんだ。『俺の仕事は得点すること。そしてダブルチーム、トリプルチームを誘発したら、みんなが得点するのが仕事だ』とね。タイミングも絶妙だったけど、彼がそれを言ったことが重要だった」 リーダー格のカイル・ラウリー、成長株のパスカル・シアカム、ベテランのサージ・イバカやマーク・ガソルら職人肌の選手が揃うなかで、レナードの一言でチームが一丸になったと指揮官は振り返る。 「カワイは多くを語らないけど、自分が本領を発揮する上で、コーチとしての私、チームメイト、その他のことを把握しようとしていたんだ。(チームとして)かなり良いスタートを切ったけれど、連敗して初めて小さな不安が出てきた。だから、最初のチームミーティングのようなものだった。彼は大きな声を上げ、フィルムルームにいたみんなは『こんな(大きな)声は聞いたことがない』と顔を見上げた。その場は静まり返り、彼が強烈な檄を飛ばした。誰もがカワイが正しいと分かっていたし、これ以上言うことはないと沈黙が続いたよ」 その次の試合からラプターズは8連勝と勢いを取り戻し、シーズン58勝24敗とイースタン・カンファレンス2位の好成績でプレイオフへ。フィラデルフィア・76ersやミルウォーキー・バックスとの死闘、そしてNBAファイナルでゴールデンステイト・ウォリアーズとの熱戦を制し、フランチャイズ創設24年目にして念願の初優勝を果たした。 レナードはリーグタイトルをもたらし、1年でクリッパーズへ旅立ったが、史上初めて東西でファイナルMVPに輝いた以上に、チームを一つにまとめた功績は大きいものだったと言えるだろう。

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