「NBA Rakuten」は日本時間10月7日(水)午前10時より、ロサンゼルス・レイカーズとマイアミ・ヒートによるNBAファイナル第4戦を配信する。 「Don’t poke the bear」、“熊をつつくな”。これは日本語における「寝た子を起こすな」の意味で、アメリカでは良く使われるフレーズだ。スポーツ界でも、選手が何らかのきっかけで不調から脱したり、急に超人的な活躍をした際に用いられるが、ファイナル第3戦で歴史的な活躍を見せたヒートのジミー・バトラーは、まさにこれにあてはまる。 ファイナル最初の2試合で平均24.0得点、5.0リバウンド、9.0アシストと活躍するも、勝利には届かなかったバトラー。前戦に続き、バム・アデバヨとゴラン・ドラギッチが怪我で不在となる第3戦も勝利は難しいと予想されたが、ある出来事がこの男に火をつけた。その火種となった場面について、バトラー本人が試合後に出演した『NBA TV』にて振り返っている。 「彼が(レブロン・ジェームズ)が第1Q(クォーター)の終わりに、“You’re in trouble(お前ら、大変な状況になったな)”って言ってきたんだ」 第1Q終了時にヒートは26-23とリードしていたが、勢いは第1Q残り3分28秒から14-4のランを仕掛けていたレイカーズにあった。そんな状況のなかでジェームズに浴びせられた一言が、バトラーを覚醒させた。
バトラーはジェームズのその発言以降、32得点を挙げるなど爆発。最終的に40得点、11リバウンド、13アシストという、ファイナル史上3人目となる40得点以上のトリプルダブルを達成する圧巻のパフォーマンスを披露し、ヒートを115-104の勝利へと導いた。また、ジェームズに対しても、リードを9点に広げるシュートを決めた第4Q残り1分13秒に、“You’re in trouble”と今度はバトラーが叫び、きっちり借りを返すことに成功している。 チームとしては、突破口としてバトラーにボールを持たせてオフェンスを展開したのが功を奏した。サイズ不足ながらペネトレーションを有効的に使い、ペイント内の得点で52-34とレイカーズを上回り、試合の流れを掴んだ。3ポイントを1本も放たず、チームのペイント内総得点の半分(26得点)を1人で記録したバトラーは、試合後の会見で、「俺は準備ができている。大舞台だろうが、なんだろうが、やれと言われたら何でもする」とコメント。そんな頼れるリーダーに呼応し、ヒートはタイラー・ヒーローとケリー・オリニクが17得点を挙げるなど、バトラー以外に4人が2桁得点を記録し、チームの勝利に貢献した。 嫌な流れを断ち切ったヒートだが、シリーズの優位性は依然変わっていない。第3戦でも、試合残り8分56秒に一時逆転され、そのまま流れが一気に変わりそうな場面もあっただけに、第4戦も“ジミー・バケッツ”のオールラウンドな活躍が必要不可欠となるだろう。 負ければ優勝は絶望的になる第4戦。バトラーは再びチームを勝利に導くことができるか。