NBAは7月30日(日本時間31日)からフロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内に“バブル”(隔離地域)を設け、徹底した新型コロナウイルス対策の元でシーズンを再開させた。そのなかで、参加22チームの多くが1試合平均得点をアップさせている。 8月8日(日本時間9日)に行われた5試合では全10チームが110点以上を記録したが、『AP通信』によると、NBAで5試合以上が行われた日に全チームが110点以上を記録したのは、32年以上ぶりだという。
ダラス・マーベリックスのリック・カーライルHC(ヘッドコーチ)は、その要因の一つとして、昨今の選手のオフェンス力が高くなっている点も指摘している。 「チームの練習施設では、感染防止対策のためにたくさんの手順を踏んだ上でワークアウトをする必要があったが、バブル内の練習場では、それが必要なくなった。各選手のスキルが目覚ましく進歩しているので、そういった選手のオフェンスを止めるのが、どんどん困難になっている」 また、ミルウォーキー・バックスのブルック・ロペスは、選手の視点からシュート成功率アップについて見解を述べている。 「バブルには3つのコートがあるが、(デザインが変わらないので)同じアリーナのような感覚でプレイできる。それに、ミルウォーキーで試合をした後に、フィラデルフィアとマイアミで試合をして、再びミルウォーキーに戻って試合をする……といった感じで毎試合違うアリーナでプレイする必要がないから、とても安定したプレイができる」 その一方で、ニューオーリンズ・ペリカンズ、トロント・ラプターズ、ワシントン・ウィザーズ、オクラホマシティ・サンダー、ロサンゼルス・レイカーズの5チームは、シーズン再開から8日(同9日)までの平均得点が、リーグ中断までのレギュラーシーズン平均を下回っている。 レイカーズの大黒柱であるレブロン・ジェームズは、「とても難しい状況だ。俺は、観客席が空っぽの体育館で試合をするのが本当に久しぶりなんだ。誰にも見られずに試合をするなんて、もう何年も経験していない。無観客試合のリズムを掴もうとしている最中なんだ」と説明している。 高校時代からスター街道を歩んできたジェームズにとって、シーズン再開後の無観客試合は、他の選手以上に“異質な空間”なのかもしれない。