イースト展望:中位の争いは激戦必至、八村の奮起にも注目【シーズン再開ガイド】

NBAは7月30日(日本時間31日)から中断していたシーズンを再開させる。フロリダ州オーランドでの一か所集中開催による無観客試合のため、ホームコート・アドバンテージの恩恵がない特殊な状況となり、これまで以上にチームの“地力”が問われることになる。

頭一つ抜けたバックス、ラプターズは層の厚さで勝負

イースタン・カンファレンスでは、やはりミルウォーキー・バックスが総合力で頭一つ抜けているだろう。平均29.6得点、13.7リバウンド、5.8アシストを記録する昨季MVPのヤニス・アデトクンボを中心に、平均得点1位(118.6)、平均失点も同5位(107.4)と攻守に安定。リーグ中断直前に3連敗を喫したが、昨季・今季ともに連敗は一度のみ。大崩れせず、すぐに立て直せるのは強みだ。昨季果たせなかったファイナル進出を果たすうえでは、アデトクンボをサポートするクリス・ミドルトン、エリック・ブレッドソーがプレイオフでギアを上げられるかが鍵になりそうだ。

1974年以来のファイナル進出を狙うバックスに対し、ラプターズは史上8チーム目の連覇を目指す。

昨季王者トロント・ラプターズは開幕前にファイナルMVPのカワイ・レナード、“3&D”ダニー・グリーンを失うも、オールスターのパスカル・シアカムとカイル・ラウリーを筆頭とした全員バスケットで昨季から勝率をアップさせた(70.7%→71.9%)。新型コロナウイルスによる渡航規制対策で本拠地カナダでのキャンプを回避し、6月下旬から集中開催地のオーランドに入っている。絶対的エース不在という懸念材料はあるが、コンディション調整が鍵となる再開シーズンにおいて、選手層の厚さは史上8チーム目の2連覇に向けて追い風となるかもしれない。

ダークホースは今季2強に全勝のヒート

この2強を追う“第2集団”が、ボストン・セルティックス、マイアミ・ヒート、インディアナ・ペイサーズ、フィラデルフィア・76ersの4チームだ。 セルティックスはリーダー格のケンバ・ウォーカーに導かれ、ジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンの若手コンビが平均20得点超の頼れるスコアラーに成長した。チームディフェンスも良く、平均失点(106.8)はリーグ2位とバックスやラプターズと戦えるポテンシャルを秘めている。ただ、ベテランのウォーカーはプレイオフの経験が乏しく(計11試合)、右膝にも不安を抱えている状態。新旧の力を融合できるかが生命線となる。 ドウェイン・ウェイドが引退して新時代に入ったヒートは、新エースとチームリーダーの両役を担うジミー・バトラーの加入が吉と出た。進境著しい3年目のバム・アデバヨ、ケンドリック・ナンとタイラー・ヒーローの新人コンビが台頭。今季はバックス、ラプターズに対してそれぞれ2戦2勝を挙げており、ポストシーズンでもダークホースになり得る。

バトラーを軸に、ヒーロー(左)、アデバヨ (右)ら若手が躍動するヒートは侮れない存在に成長。

当初、戦力面でハンデを背負う可能性があったペイサーズは、チーム状況がポジティブな方向に変わりつつある。今季バックスから加入して平均16.3得点、7.1アシストと攻撃を司っていたマルコム・ブログドンが新型コロナウイルスに感染。チーム合流が遅れたが、7月15日(同16日)から練習を行い、調子を上げ始めた。右足大腿四頭筋断裂から復活したビクター・オラディポも、リハビリ優先による不参加表明から一転、オーランド入りして参戦に前向きな姿勢を示している。今季チームの平均得点“トップ2”であるTJ・ウォーレン(平均18.7得点)、ドマンタス・サボニス(平均18.5得点)に、オラディポが加わるとなれば、要警戒チームとなるのは間違いない。 76ersはやはりジョエル・エンビードとベン・シモンズの出来に懸かっている。トバイアス・ハリス、ジョシュ・リチャードソン、アル・ホーフォードを加えたスタメンは他チームにも引けは取らないが、二枚看板は確執が取り沙汰され、シーズン中には故障で離脱も余儀なくされた。そして、司令塔シモンズに3ポイントの選択肢がほぼなく、センターのエンビードに相手ディフェンスが収縮する、あるいはエンビードがアウトサイドに出なければいけない大きな弱点を抱えている。シモンズのパワーフォワード起用も検討されるなか、シーズン途中に獲得したアレック・バークスとグレン・ロビンソン三世が、新たなスパイスとなれるかも一つのポイントになりそうだ。

主力不在のウィザーズは八村にエース級の活躍を期待

残る2つのプレイオフ進出枠を巡り、7位ブルックリン・ネッツ、8位オーランド・マジック、9位ワシントン・ウィザーズがシーティングゲーム8試合で激しく火花を散らす。 シーディングゲーム終了時点で8位と9位が4ゲーム差以内だった場合、2チームによるプレイイン・トーナメントが開催され、勝った方がプレイオフに進出する。つまりマジックと5.5ゲーム差でスタートするウィザーズは、最低でも1.5ゲーム差を詰めなければならない。 ただ、ウィザーズの台所事情は厳しい。左足アキレス腱断裂でリハビリ中のジョン・ウォールに加え、今季リーグ2位の平均30.5得点を挙げているブラッドリー・ビール、平均15.4得点と3ポイント成功率42.4%を記録しているダービス・ベルターンスが帯同せず。トーマス・ブライアントとゲイリー・ペイトン2世も、新型コロナウイルス感染が発覚して離脱しており(ブライアントは回復後チームに合流)、ルーキーの八村塁には“エース級”の活躍が求められる。

ウィザーズがプレイオフ出場権を掴むには“エース”八村の爆発が必要不可欠となる。

もっとも、ネッツもカイリー・アービング、ケビン・デュラント、新人のニコラス・クラクストンが故障、ウィルソン・チャンドラーが家族優先、スペンサー・ディンウィディーとディアンドレ・ジョーダン、トーリアン・プリンスが新型コロナウイルス感染のため、シーズン不参加が決定。フリーエージェントのジャマール・クロフォードとマイケル・ビーズリーを緊急補強するも、ビーズリーは加入後に新型コロナウイルス感染が発覚し、出場できるかは不透明となっている。マジックを含めた“三つ巴”は最後までもつれることになるかもしれない。


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