新型コロナウイルスによる安全上の懸念や人権問題への抗議デモが全米中で行われているなかで再開されるシーズンへの参加を決めきれずにいたトロント・ラプターズのフレッド・バンブリートが、最終的に参加する意思を表明したと、『ESPN』のティム・ボンテンプス記者が報じた。バンブリートは、同メディアとの電話会議にて、このタイミングで再開されるシーズンへの参加を決断することが、いかに困難であったかについて以下のように述べている。 「苦渋の決断だったよ。タイミングは最悪だからね。みんなも本当はプレイしないという選択が道徳的に正しいことを理解している。人権侵害に反対する姿勢を見せないといけないからね。けど、多くの選手は減給を望んでいないし、僕も辞退するべきだとは思っていない。そこで僕らが稼いだお金を有効活用できるしね」 「人種差別、社会的不平等、警察の蛮行といった数々の問題はすぐに無くならないだろうが、僕たちはこれらの問題と長期にわたって闘ってきたし、僕は今後も闘っていく決意を固めている」
「もしみんながシーズン再開に反対していたら、僕もその意見を尊重して参加を辞退していたと思う。けど、過半数以上の選手がプレイしたいと望んでいるからリーグが再開されることになったんだ。そうと決まればあとはやるだけさ。僕の決断は正しいと信じているし、シーズンが再開されても人権問題と闘っていける」 同メディアによれば、バンブリートは、新型コロナウイルスの感染者数がフロリダ州で拡大していることを懸念していたものの、家族が開催地に同行しないことを条件に再開されるシーズンへ参加することにしたという。 バンブリートは、2016年にドラフト外でラプターズに加入。2017-18シーズンからは優秀なプレイメーカーとして頭角を現し、昨季はアウトサイドの得点力を武器にチーム史上初のリーグ優勝に貢献した。4年目の今季は48試合に先発出場し、17.6得点、6.6アシスト、3.8リバウンド、1.9スティールと、これらすべてにおいてキャリアハイを記録している。 今季序盤には、マルク・ガソルやパスカル・シアカムといった主力が戦線離脱していたが、バンブリートが安定感のあるプレイでチームの勝利に貢献したこともあり、チームは高勝率を記録していた。 一足先にフロリダに入った昨季王者は、46勝18敗でイースタン・カンファレンス2位につけており、今季のプレイオフ進出をすでに確定させている。