アフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイド氏が5月25日(日本時間26日)、ミネアポリスで警官に手錠で拘束された際、無抵抗だったにもかかわらず白人警官に膝で首を圧迫され続け、のちに死亡した。この事件が新たな人種差別問題の火種となり、各地で大規模な抗議デモに発展して社会問題化。NBA界でもSNSでの声明発信やデモ参加が広がっている。 そんななかシーズン再開に向けて動きを見せているNBAだが、選手たちの中には今はそのタイミングではないと考えているものもいる。ブルックリン・ネッツのカイリー・アービングは先週末に行われた電話会議にて、NBAが再開されれば人種差別問題が世間から注目されなくなるとして「(シーズン開催地である)オーランド行きを支持しない」と語ったとされている。ロサンゼルス・クリッパーズのルー・ウィリアムズも、アービング同様の考えを持っているようだ。
『Bleacher Report』のテイラー・ルックス記者は、6月12日(13日)、自身のインスタグラムに実施された電話会議について「約2時間に及んだ会議では、主に社会正義について議論された」と情報を投稿。その投稿に対してウィリアムズは「意味のあるものにしなければいけない。それがすべて」とコメントし、その言葉の真意について説明した。 「俺らは大きな変革のために戦っている。スポーツによって心が癒されることは誰もが認めるところだ。だが、この状況でスポーツをすることは、現実の問題から目を背けることに繋がる。人は外に出て平等のために戦うのではなく、家に帰ってビールを片手にバスケットボールの試合を観ることを熱望する。それは見逃せない点だ」 ウィリアムズ同様にシーズン再開に対して疑問を抱く選手たちは多いようで、そのような選手らがシーズンの再開に関して、全選手を対象とした新たな投票会の実施を求めているとの報道も出ている。