2019年のリーグMVPであるミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは、2020-21シーズン終了後にフリーエージェント(FA)となる。現代随一のオールラウンダーが市場に出るとなれば争奪戦になるのは確実だが、『NBC Sports』のトム・ハーバーストロー記者が、ゴールデンステイト・ウォリアーズはクレイ・トンプソンをトレードで放出してアデトクンボを獲るべきだと主張した。 アデトクンボはバックス残留を望んでいるとされるが、新型コロナウイルスの影響で各チームともに財政的な打撃を受けており、去就は不透明な要素が多い。 今シーズン、エースのステフィン・カリーが左手骨折、トンプソンが左膝前十字靭帯断裂で長期離脱を余儀なくされ、リーグ最下位(15勝50敗)に沈むウォリアーズは来シーズンの巻き返しを誓うが、ハーバーストロー記者はその“切り札”にアデトクンボを推した。 「2014年、私はクレイ・トンプソンをトレードで放出して(当時ミネソタ・ティンバーウルブズの)ケビン・ラブを獲るべきだと言っていた。その交渉を実現すべきだと思っていたが、それは間違いだった。なぜなら、ヤニス・アデトクンボは当時のケビン・ラブよりはるかにいい。もし、クレイ・トンプソンがNBAで向こう5年間MVPを争えるアデトクンボを獲得するための交渉のベースになるなら、その取引は行なうべきだ」 ただ、2011年の入団からウォリアーズ一筋のトンプソンは、シューティングガードとしてトップレベルの実力を誇り、地元ファンからも愛されている選手の1人。放出するとなれば大きなリスクを伴うが、それでもハーバーストロー記者はトレード要員としてアデトクンボ獲得を画策すべきだと説いている。 「クレイ・トンプソンは実に素晴らしい選手だが、NBAでG.O.A.T.(史上最高の選手)になる可能性はない。アデトクンボはまだジャンプショットをマスターしていないが、年齢(25歳)を考えれば歴代でもトップクラスなのは間違いない。だからクレイ・トンプソン、アンドリュー・ウィギンズ、ドラフト全体1位指名権(ロッタリーで獲得の可能性あり)はアデトクンボを狙う上で素晴らしいパッケージだ。彼をステフ・カリーと組ませる。2016年、ケビン・デュラントがウォリアーズに来た時のイメージだ」 NBAはビジネスの世界とも言われるが、ウォリアーズのボブ・マイヤーズGM(ゼネラルマネージャー)にとって、“スプラッシュ・ブラザーズ”の一角であるトンプソンに手を付けるのは容易な決断とはいかなそうだ。