フィラデルフィア・76ersのジョエル・エンビードは、2017-18シーズンから3年連続でオールスターに出場するなど、リーグ屈指のセンターとして地位を確立しつつある。精神的なムラは課題のひとつだが、今年のオールスター後に“変化”があったという。 2014年のドラフト1巡目3位指名を受けたエンビードは、右足疲労骨折の影響でルーキーイヤーを全休。リハビリが思うように進まず、2015年夏に右足を再手術して、2015-16シーズンも棒に振った。 2016-17シーズンに待望のNBAデビューを飾ると、翌シーズンには平均22.9得点、11.0リバウンド、3.2アシストと本領を発揮してオールスターにも初出場。昨季はリーグ4位の平均27.5得点、同2位の13.6リバウンドと圧巻の成績を残し、今季も平均20得点、10リバウンド以上をクリアしている。 左肩や左指の負傷で欠場がかさんだ今季前半戦は平均22.9得点、シュート成功率46.6%、3ポイント成功率33.6%だったが、オールスター後は5試合ながら平均27.6得点、シュート成功率53.2%、3ポイント成功率55.6%に急上昇。2月20日(日本時間21日)のブルックリン・ネッツ戦で39得点、16リバウンド、2月24日(同25日)のアトランタ・ホークス戦でキャリアハイの49得点を記録するなど支配的なパフォーマンスを披露した。 エンビードは『NBC Sports Philadelphia』のインタビューで、「特にオールスターゲーム後、俺の考え方はがらりと変わった。シーズン前半戦は自分の基準に達していなかったし、程遠かった」と自己分析している。 ブレット・ブラウンHCは5月中旬、「ジョエルは常に話題の男だからね。彼とはたくさんの会話をしてきた。彼はリーグ入り以来、ベストの状態でありたいと強く思っている」と話し、さらなる成長を求めた。エンビード自身、新型コロナウイルスの影響によるリーグ中断の期間、シカゴ・ブルズが最後に優勝を飾った1997-98シーズンを追跡したドキュメンタリー10部作『マイケル・ジョーダン:ラストダンス』を見て刺激を受けたという。 「面白かったし、多くの類似点を感じた。俺も(マイケル)ジョーダンや(スコッティ)ピッペンのようになれる。ハードに練習を続けるだけさ」 76ersは過去2年連続でプレイオフ進出を果たした一方、いずれもカンファレンス準決勝で敗退を喫している。エンビードは選手として次のステージに登り、チームをさらなる高みに導けるだろうか。