マイケル・ジョーダンが『ザ・ラストダンス』制作を許可するきっかけとなった3人

マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズが最後に優勝した1997-98シーズンを追ったドキュメンタリー番組『ザ・ラストダンス』の配信スタート(日本ではNetflixで配信)が話題となっている。 その制作の舞台裏をまとめた『ESPN』のラモーナ・シェルバーン記者の記事のなかから、『CBS Sports』のジャック・マローニー記者は、アダム・シルバー・コミッショナー、レブロン・ジェームズ、アレン・アイバーソンの3人が、ドキュメンタリー制作において重要な役割を果たしたことに注目した。 1990年代にNBAのエンターテイメント部門の代表を務めていたシルバー。1997-98シーズンがNBAの歴史にとって大きな1年になることを察知し、当時のブルズのオーナーや、フィル・ジャクソンHCに密着取材を申し出ていたが、最も重要だったのは、当時NBAのNo.1プレイヤーだったジョーダンの許可を得ることだったと振り返っている。そのときシルバーは「その映像をすぐに公開することは難しいだろうが、とにかく撮影だけしておくことが重要だ」と考え、ジョーダンを「あなたの許可が無ければ、この映像は公開しない」と説得。結果的に当時の映像を残すことに成功したのである。 そして、映像が撮影されてから約20年後、間接的にドキュメンタリー番組の制作を後押しするキーマンとなったのがジェームズとアイバーソンだったと、マローニー氏は『ザ・ラストダンス』のプロデューサーであるマイク・トーリンが語ったエピソードをもとに自身の見解を述べている。 トーリンが、ジョーダンにドキュメンタリー制作のプレゼンテーションをする日の朝は、ちょうど2016年のNBAチャンピオンに輝いたジェームズ率いるクリーブランド・キャバリアーズの優勝パレードが行われている日だった。テレビで偶然その模様を見ていたトーリンは、現役最高の選手と言われるジェームズが3つ目の優勝リングを手に入れたことが、ジョーダンの闘争心に再び火を付けると考えていたのだという。 6つの優勝リングを持つジョーダンが、実際にジェームズの優勝に影響を受けたかどうかは分からないが、ジョーダンがドキュメンタリー制作の許可を出したのが、ジェームズの優勝パレードと同じ日というのは奇妙な偶然であるとマローニー氏は記している。 その後、トーリンのプロダクション会社で行われたプレゼンテーションの場で、ズラリと並べられたトーリンの過去作品の中からアイバーソンのドキュメンタリーを見つけたジョーダンは、「あれは君の作品か?」とトーリンに問いかけた。かつてジョーダンと並ぶカリスマ性を誇ったアイバーソンのドキュメンタリーを作ったことが、ジョーダンの気を悪くしたのではないかとトーリンは危惧したが、実際にはジョーダンはその作品のファンだった。 「私は、そのドキュメンタリーを3度観た。泣けるドキュメンタリーだ。私はその小さい男が好きなんだ」と語ったジョーダンは、手を差し出して「(ドキュメンタリー制作を)やろう!」とトーリンに伝えたそうだ。

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