2019-20シーズンの新人王争いは、右膝半月板損傷から復活したドラフト1巡目1位指名のザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)が目覚ましい活躍を見せていることで大きな注目を集めている。ただ、これまでレースを牽引してきた2位指名ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)の優位性は変わらないだろう。元新人王でMVP経験者のデリック・ローズ(デトロイト・ピストンズ)もモラントに一目置いている。 マレー州立大2年時に平均24.5得点、5.7リバウンド、10.0アシストの成績を残したモラントは、2019年のドラフトでザイオンに次ぐ2位指名を受けてNBA入り。身体能力を生かしたスピードと抜群のパスセンスで、ここまで55試合に出場して平均17.6得点、3.4リバウンド、7.0アシスト、シュート成功率49.3%の好成績を残している。 モラントが新人王濃厚と見られていたなか、1月22日(日本時間23日)にNBAデビューを果たしたザイオンが平均24.1得点、6.8リバウンド、2.1アシストの大活躍で猛追。2人のスター候補生によるデッドヒートにリーグは盛り上がりを見せている。 そのなかで、モラントに熱視線を送っているのが同じポイントガードのローズだ。『アリゾナ・リパブリック』のデュアン・ランキン記者から「見に行きたい若手選手は?」と訊かれた31歳のベテランは、「僕と若い選手を比べることはできないけど」と前置きしたうえで、グリズリーズを支える20歳の新星の名前を挙げた。 「他の人たちも言っているように、ジャ・モラントは素晴らしい戦いぶりを見せていると思う。彼はメンフィスを正しい方向に導いている。チームメイトはボールをもらえるから、彼と一緒にプレイするのが好きだろうね。彼は毎晩戦っている」 驚異的なスピード、爆発的な跳躍力、そして巧みなゲームメイク。ローズとモラントのプレイスタイルには類似点があり、同じ選手として共鳴する部分が少なからずあるようだ。 グリズリーズは最大で借金9を抱えていた状況から巻き返し、現在プレイオフ最終スポットの8位(30勝31敗)につけている。3年ぶりのポストシーズン出場権をつかむうえで、モラントの奮起は不可欠になるだろう。