バッシュで紐解くNBAヒストリー / vol.12「違反シューズ」:【木村タカヒロ】

今年の箱根駅伝で注目を浴びたのが、ド派手なピンクのアッパーと厚底のソールが特徴のランニングシューズ「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」でした。 出場選手210人中177人(なんと84.3%!)が、昨年7月に一般発売されたこのシューズを履いて出走し、10区間中7区間で区間記録が誕生しました。もちろん、選手たちの血の滲むような日々の努力を否定するわけではありませんが、シューズの圧倒的な機能が目立った大会となりました。 すると、ワールドアスレチックス(旧国際陸連)が新規則でナイキの「厚底シューズ」を禁止する可能性が高いという報道がなされたのです。その後、1月31日に条件付きで使用を認めるとしましたが、靴底は40ミリの制限があり、反発性を高めるために靴底に使用されるプレートが複数枚入っているものはNG、さらに使用可能な靴は4カ月以上市販されたものに限るなど、細かいルールが設けられています。 NBAの歴史においても、“違反シューズ”の問題が取り沙汰されたことがあるのをご存知でしょうか? ご存じの方も多いかもしれませんが、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)の初めてのシグネチャーモデルである『AIR JORDAN 1』は外せないでしょう。シューズが登場した1985年当時、NBAではバッシュの色が白もしくは黒の面積が51%以上という規定がありました。『AIR JORDAN 1』はブルズカラーの真っ赤なカラーリングだったためにルール違反とされ、履いた場合は1試合につき5,000ドルの罰金が課せられることになっていました。 しかしナイキは、マーケティング戦略の一環として罰金を肩代わりしてまでジョーダンに着用させ続けたのです。その結果、ジョーダンの活躍もあってエア・ジョーダン・シリーズは世界中で空前の大ヒットとなり、ジョーダンが引退して17年がたつ今でも新作がリリースされ続けています。 『AIR JORDAN 1』以外でリーグが着用を禁止したのが、以下のバッシュです。 『Concept 1』Athletic Propulsion Labs/2010年 アスレティック・プロパルジョン・ラボによる『Concept 1』は、なんとつま先に埋め込まれたバネのような機能により、跳躍力がアップするという1足でした。“選手のジャンプ力を向上させ不公平なアドバンテージを与える”として、デイビッド・スターン・コミッショナーより着用禁止が言い渡されました。 『Jordan Melo M10』Jordan Brand/2013年 カーメロ・アンソニーの10代目シグネチャーであるこのモデルの特徴は、ヒール部にメタリックパーツ。しかし、そのパーツが観客やテレビ視聴者の妨げになる可能性があると指摘されました。そのため、マット素材への変更を余儀なくされています。 『Nike Hyperdunk 2016 custom』Nike/2018年 ※ヘッダー写真のシューズ カール・アンソニー・タウンズがカスタムをオーダーしたこの1足は、Netflixの人気ドラマ『ストレンジャー・シングス』のペイントを施したもの。禁止の理由は、商業ロゴの表示を禁じる規定に違反しているとのことでした。 ただし、NBAでは2018-19シーズンから選手が試合中に着用するバッシュのカラー規制が緩和されました。これまで原則としてチームカラーに合わせるように決められていたものが、現在では自由に色を選べるようになっています。NBA選手にとってバッシュはセンスや個性をアピールできる道具のひとつなので、選手もメーカーもルールの範囲内でオリジナリティに溢れた“作品”を日々研究しているのでしょうね。

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