ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチは2年目の今季、平均29.6得点、9.7リバウンド、9.0アシストと目覚ましい活躍を披露している。史上3人目のシーズン平均トリプルダブル達成も期待されるなか、往年の名選手ジェリー・ウェスト氏(元ロサンゼルス・レイカーズ)が、昨季限りで引退したダーク・ノビツキーを超えて「ダラス史上最高の選手になる」と太鼓判を押して話題となった。しかし、ドンチッチ自身は「もっともっと進歩しないといけない」と語っている。 ドンチッチは2018年のドラフト1巡目3位指名でNBA入り。ルーキーイヤーからレギュラーの座をつかみ、平均21.2得点、7.8リバウンド、6.0アシストとオールラウンドな活躍で新人王に輝いた。 長年チームを支えたノビツキーが引退し、新たなフランチャイズプレイヤーとして期待された今季は序盤戦からトリプルダブルを連発。弱冠20歳にして、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)やレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)らスーパースターと並んでMVP候補に挙げられている。 現役時代にオールスター出場14回、得点王やアシスト王も獲得するなどスーパースターとして君臨し、NBAロゴのモデルにもなったウェスト氏は先日、ドンチッチを「天才」と称賛。「彼は確実にトップ5になれる。彼はとても賢い。誰も止めることはできない。速くプレイすることもできれば、ゆっくりもプレイできる。彼のプレイを見るのは特別なことだ。ダラス史上最高の選手になる」と語っていた。 『ESPN』のレイチェル・ニコルズ記者は、1対1のインタビューでこの件に関してドンチッチを直撃。20歳の若武者はクールに自らの見解を口にしている。 「ジェリー・ウェストのような偉大な人物からそのようなことを言ってもらえるなんて驚きだよ。でも、少しでもダークのようになるには、僕はもっともっと進歩しないといけない。ダーク(のような偉大な存在)になるのは最も難しいことの一つだ」 13歳で母国のスロベニアを離れ、スペインの強豪レアル・マドリードと契約したドンチッチ。驚異的な能力から“ワンダーボーイ”のニックネームを授かるなど、若い頃から常に注目を集めてきた。「毎日プレッシャーを感じながら生活している」と明かす一方で、そういった環境さえも楽しむかのように、こう言葉を続けている。 「このチームのフランチャイズプレイヤーになったということは、僕にとってはそこまで大きな変化じゃない。ダークから学ぶことはアメージングだった。彼はマーベリックスを僕とKP(クリスタプス・ポルジンギス)に託した。今、僕らはシーズンで上手くやっているし、これを継続していきたい」 ドンチッチの無限の可能性に今、世界中の人々が釘付けになっている。