トロントの人々は、現地12月11日にスコシバンク・アリーナで行われたトロント・ラプターズ対ロサンゼルス・クリッパーズの一戦を心待ちにしていた。ラプターズを2019年のNBAチャンピオンに導き、今オフにクリッパーズと契約したカワイ・レナードが、移籍後初めてトロントで試合をするからだ。 ラプターズは、今日の試合でレナードに昨シーズンの優勝リングを贈呈し、アリーナの外にある大型電光掲示板には、優勝後のシャンパン・ファイトの時のレナードの写真の横に『FUN GUY in Town』と書かれた画像や、優勝トロフィーをかかげるレナードの写真の横に『Board Man Gets His Ring』と書かれた画像を表示し、レナードへの感謝の気持ちを表した。 この日の凱旋試合を迎えるにあたって、レナードは「声援を送ってくれるファンもいれば、ブーイングをするファンもいるだろう。ラプターズのファンは勝利への気持ちが強いからね。彼らは、相手チームの選手に決して声援を送らないんだ」と語っていたが、試合前にレナードに優勝リングが贈呈されると、会場に詰め掛けたラプターズ・ファンは「MVP! MVP!」という声援をレナードに贈った。 試合当日の朝に行われたクリッパーズのシュートアラウンドで、レナードは「今オフに、ラプターズと再契約することを真剣に考えていた。俺は、決して決断を急がず、時間をかけて考えた。フロントとも詳しく話し合った。本当に難しい決断だったんだ」と、決断までの経緯を語った。 クリッパーズと契約した後に、レナードは自身が契約するニューバランスのビルボード(巨大広告)で「Thank You Toronto」というメッセージを発表した。この時の気持ちについて、レナードは「昨シーズン、ラプターズのファンは素晴らしい応援をしてくれた。彼らは、良い時も悪い時もチームを支えてくれた。プレイオフでは、どのシリーズでも悪い時期があったが、彼らはチームと一緒に耐えてくれた。彼らは、毎試合のようにチームにエナジーを与えてくれて、俺たちを助けてくれた。あのビルボードは、俺の感謝の気持ちだ」とコメントした。 また、優勝リングを手にすることについて、レナードはシュートアラウンドの時に「カッコいいリングだと思う。(ラプターズの優勝リングはまだ写真でしか見たことがないから)早く実物を見て、自分の指にはめたいよ」とコメントしていた。 ラプターズでプレイした1シーズンの間に、レナードは60試合のレギュラーシーズン・ゲームに出場し、1試合平均26.6得点、7.3リバウンド、3.3アシストを記録した。彼は、レギュラーシーズンの間に『ロード・マネジメント(疲労の調整)』をして出場試合数を制限したおかげでプレイオフに入ってからは更に調子を上げ、平均30.5得点、9.1リバウンド、3.9アシストを記録して、ラプターズがNBAファイナルでゴールデンステイト・ウォリアーズを破ってNBAチャンピオンに輝く原動力となった。 この日の試合でもレナードは23得点、5リバウンド、6アシストと活躍し、クリッパーズが112-92でラプターズに勝利した。